人気ブログランキング | 話題のタグを見る

●リハビリと勉強の共通点

一人暮らしになった母に利用してもらいたくて、介護施設を見学している。
痛い足腰のためにリハビリの必要を痛感したのか、通所リハビリ施設ならばとやっと重い腰をあげてくれた。

何箇所か見たが、昨日行った施設の方針には感心してしまった。
母がOKしてくれれば、そこにしたいと思っている。

まず利用者が面談を通して「散歩をしたい」「買い物に行きたい」など身近で具体的なリハビリ目標をたてる。モットーは「楽しく疲れない程度にリハビリしよう!

行事やクラブ活動は利用者が企画する。参加したくないものは”お留守番”組になってもよい。

私は職員の方の説明を聞きながら、リハビリと勉強との共通点があると気がついた。
勉強には目的、動議づけが大事だ。
タラタラと漫然と勉強しても身につかず、結局やめてしまうことが多い。
しかし、あまりに高い目標を掲げると挫折してしまう。
例えば語学を例にとると「字幕なしで映画を見たい」。
最初からそんな目標設定は無理というものであろう。

そして自発性の大切さだ。
学生時代、歴史が苦手だった。歴史=暗記科目と思っていたので、覚えなくてはいけない年号や人名は私にとって意味のない無味乾燥な記号の連続だった。
だが、グループで歴史検証したり、人物の掘り下げレポートを書くなどの授業だったら、もしかしたら歴史好きになったかもしれない。

欧米の学校の歴史授業は実際そのように進められると聞く。
では、なぜ日本ではしないのか。
教科書を教えている方がずっと楽だからだ。文部省によって定められている学習指導要領のせいで、時間の余裕がない。それに教師に自由に授業を任せられるとなると、教師の力量が必要だ。自分の勉強嫌いを棚上げして言うのもなんだが。

●リハビリと勉強の共通点_f0234728_11281.jpg


そして・・・介護施設。
学習指導要領の代わりに、スタッフの人数が問題であろう。
大概は決められたプログラムをこなしていくのが精一杯なのではないだろうか。
車いすのお年寄り、認知症の人、いろいろなお年寄りがみえる。
職員の方のご苦労を思うと頭が下がる思いだ。

だから、「利用者の自ら企画」した行事を行うというのがどんなに大変なことなのか、想像に難くない。
現実にはできることを見極め、助言もされるだろう。
だが、できるだけ利用者の気持ちを汲もうという姿勢が素晴らしいと思う。
お年寄りも自分たちの考えが反映していると思えば"やる気"もでるというものだ。

お風呂場もできるだけ自宅に近い環境でということで一人用の浴槽が三つ用意されていた。

プレハブを利用した建物は立派ではなかったが、あちこちに利用者への心配りが感じられた。


退勤間際だったのにも関わらず、嫌な顔一つせず応対してくれた介護士の若者や、職員の方も感じがよくて、私は「ここなら大丈夫かも」とつぶやくのだった。
by feliza0930 | 2010-07-04 11:09 | ・LIFE