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●週刊ブックレビュー

まったりした土曜日の朝のことだった。

「ゲゲゲの女房」流れからたまたまつけていたNHKBSで、本の紹介をしていた。
(ふ~ん、こんな番組があるんだ)と何の気なしに見ていたら、一見普通のおばさんが話している。
もっともちょっと考えれば、普通のおばさんがNHKの書評番組にゲスト出演しているわけはないのだが(笑)。
「この本は読む人を選ぶかもしれない。」ここまでは私は聞き流していた。ところが、彼女はこう言葉を続けた。「私は残念ながら完璧、選ばれなかった人だったのですよね。」(ん?何を言い出すのだろう?この人)と私は耳をそばだてた。

「この世界に入れる時と、入れない時がある。昼間読んでいる時は全然ダメだった。」「例えば、」と言って彼女はページをめくる。「『僕たちはズンズン祭りが大好きだ。』この部分で私はこの祭りは何だ?と思うわけ。そこでひっかかって読むのが止まる。だけど、夜、疲れている時に読んだら、ああ、こういうこともあるかなと思う。読む態勢を変えると、読める本なのかもしれない。」

人間もそうだ。この人、ダメ、合わないと思っても、違う場所で意外な一面を見るとこんな人だったのかと思う時がある。本も生き物。読む時間で見せる顔が違うということか。

他のゲストも「音楽を聴いているようだ」とコメントしていた『地上の見知らぬ少年』、面白そうな本だが、『青木るえか』。ふわっと見える外見と裏腹に出てくる独特の直球の言葉たち。タダ者じゃない匂いがした。

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by feliza0930 | 2010-07-12 20:52 | ・BOOK