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●腹立たしい家族~『純と愛』

といっても我が家の家族ではない。(そういう時もあるが・・・・)
今日のNHK朝ドラの『純と愛』である。

妊娠してしまった兄の恋人に説得(!)してほしいという母親の頼みで無理やり帰郷させられたヒロイン純。
責任を取ろうとせず逃げまわる兄、困ったことがあると娘に頼り切る母、周りに甘えてばかりいるフリーターの弟、そんな末っ子にねだられるままに小遣いを渡す母、父は長男を諭すどころか恋人に手切れ金を渡す。
家族からは修羅場になったのはヒロインのせいだと責められ、兄の恋人にも逆恨みされお金を叩き返される。ヒロインならずとも私も(こんな家族はもうイヤ!)と叫びたくなる。

軽いノリの朝ドラと思っていたが、やはりミタさん脚本家によるドラマである。エゴな家族の描き方がキツイ。朝からこんなシーンを見せられどんより気分が悪い。だが、それも脚本家の想定内なのだろう。
ミタさんのように、家族を徹底的に壊し再生させるのがテーマの一つかもしれない。
同時に脚本家はみんなの期待する「朝ドラ」イメージも叩き壊そうとしている。しかしその代償に従来の朝ドラファンが脱落していることであろう。

数年前、ひどい家族を描いた映画を見た。
憤慨したら知人は「家族が悪いことは悪いとは限らない。親が反面教師となって成長するかもしれない。家族の仲がよくて居心地がよすぎるのは子供にとっていいとばかり言えない。」と言う。怪訝な顔をしたら「仲が良すぎると他人を入れない、排他的になる恐れがある。」。<仲の良いこと=素晴らしいこと>としか考えたことがなかった私は大変驚いた。でも家庭の居心地がよすぎると、子供たちがいい年になってもなかなか家から出られないというのはあるかもしれないと思った。

ヒロイン純の母の目はいつも息子に向いている。『カーネーション』のおかあちゃんのように優しくくるんでくれない。父は『カーネーション』の善作のような愛すべきキャラではない。善作は娘に厳しく接していたが一本筋が通っていて心底では娘の理解者であった。
だが、純がいくら(もうイヤ)と言っても家族とは縁は切れない。それが家族。どうしようもない家族でも家族だからだ。

純はこのどうしようもない家族と闘ってどう成長していくのだろうか。異色作『純と愛』の見どころはどうやらストーカー「愛」ばかりではないようだ。
●腹立たしい家族~『純と愛』_f0234728_22214410.jpg

                                 <博石館にて 大理石の椅子>
by feliza0930 | 2012-10-18 22:25 | ・DRAMA