●凹なスキマスイッチライブ

オープニングの音楽がなる。スキマスイッチが出てくる前に早くもスタンディングする観客たち。気分は盛り上がってきた。私も立とうとした。ところが、叫び声がする。
「立たないで下さぁい。」(え?)何事かと思い後ろを振り返った。若い女性が二人、叫んでいた。「車いすですので見えません。」彼女らは車いすではなかったが、そのニ、三列後ろにに車いす席があった。彼女と車いすの人との関係はわからなかった。彼女たちのお願いで何人かは座ったが相変わらず立っている人たちがいた。

ステージが始まった。
デビュー10周年にちなみ初心に戻ろうとバンドなしの全都道府県ツアー『DOUBLES ALL JAPAN』。
お陰で地元で初のお目見えだ。早々とチケットはソールドアウトしていた。私は正面ブロックの前の列。地元先行の強みだった。

スキマスイッチライブは初めてだった。観客は7.3で女性の方が多い。親子連れもちらほらいた。
バンドもスペシャルゲストもいないのに三時間超えたステージを観客に飽きさせない。軽妙なトークも笑いを誘い若いけどさすが10年選手の貫録だった。
実を言うと少し鼻にかかった大橋の声は昔、苦手だった。だが友人からスキマのアルバムを聞かせてもらってからはその声こそスキマの魅力だと気づいた。勿論、常に挑戦し続ける楽曲作りの姿勢にもリスペクトできた。
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鼻にかかっているのに伸びやかな声、声量のある安定感のある歌い方は安心して聞くことができる。
ライブで多くのアーティストがする「一斉の振り」、ファンならマスターしている、すべき(?)振りがなかった。コアなファンとの温度差を感じさせる「振り」がないのもスッキリしてよかった。

ステージセットのコンセプトは"音楽工房"。数々の楽器が置いてある。二人は巧みに楽器を弾き分けて演奏し歌う。しっとり歌い上げ系の曲には照明を暗くして違う空間を創り出す。
アップテンポな曲に「さあ、立って」と言うスキマに、またしても後方から「車いすだから立てれないんです」と先ほどの女性の声がした。事情を知ったスキマは「じゃあ、正面ブロックの人は座って手でリズムを取ろう。」
スキマにそう言われてはスタンディングする人はさすがにもういない。IF左右のブロックはスタンディング、正面ブロックは座ってと、つまり凹のような非常に珍しい客席模様になった。周囲も座っているからテンションも下がることもない。それどころか一体感さえ感じた。
ステージが終わるまで何度かスキマは正面ブロックを指さして「みんな優しいね」「自分たちは優しいファンが誇り」と言った。前列に席がゲットでき盛り上がろうとしていたファン達もそう言われ不満も消えたのではなかろうか。最近、少々お疲れモードの私としては座ることができてよかった。席に座りステージをゆったり見渡せこれはこれでアリのライブ体験だった。

観客との掛け合いも楽しく、またスキマのライブに行きたいと思っている。
by feliza0930 | 2012-12-20 20:33 | ・MUSIC | Comments(0)