●お勧めできない映画『ウルフオブウォールストリート』(ネタバレ)

『タイタニック』も見ていない私にとって、この映画が初ディカプリオ。喜んでいいのやら悲しんでいいのやら。あのレオ様が、といってもあのレオ様もこのレオ様も知らないが(笑)、今までの顔をかなぐり捨てて挑んだ映画が『ウルフ・オブ・ウォールストリート』。
公開直前にR18指定になったのもさもありなん。文字にも表せない放送禁止用語の連発。全編の7割がドラッグ漬けの酒池肉林、乱痴気騒ぎ。トラウマになりそうなシーンの脂っこさに今も胸焼けする。
だが、あの淀川長治氏も言っているではないか。「どんな映画でも良いところはある。あのシーンのチョコレートが美味しそうだった」と。

ディカプリオの突き抜けた演技が、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされているのも納得だ。ただ本当に受賞できるかどうかは疑わしい。あまりに作品がぶっ飛び過ぎだからだ。
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<映画.comより>

学歴や人脈もないまま、22歳でウォール街の投資銀行で働きだしたジョーダン・ベルフォート(レオナルド・ディカプリオ)。巧みな話術で人々の心を瞬く間につかみ・・・業績を上げ、猛烈なスピードで成り上がっていく。そして26歳で証券会社を設立し、約49億円もの年収を得るまでに。富と名声を一気に手に入れ、ウォール街のウルフという異名で呼ばれるようになった彼は、浪費の限りを尽くして世間の話題を集めていく。しかし、その先には思いがけない転落が待ち受けていた。(Yahoo映画より)


この映画は実話である。

証券詐欺と資金洗浄で20年の刑を受けたジョーダンは司法取引によりわずか22ヶ月の服役。お金の力で快適な刑務所生活、出所して出した二冊の本がベストセラー、今はファーストクラスで世界中を飛び歩く売れっ子『モチベーショナルスピーカー』。講演会で起業家たちを前に話すジョーダン。
聴衆がマジックのようにジョーダンの言葉に魅入られていく様は、ネットワークビジネスがアメリカ起源であることを思い起こさせる。
転落が転落にならない予定調和無視のストーリーは拝金主義、アメリカのひずみから生まれるのか。
勧善懲悪なんてどこ吹く風、二度の離婚にもかかわらず、傍らには美しいフィアンセをはべらかす。
さすがにドラッグはやめたようだが、贅沢三昧をしても滞る返済。反省の見えない生活ぶり。この映画のヒットで被害者はどう出るかはわからないが。
この世の精算がこの世でできない不条理さ。だから人々は天国で精算するキリスト教を信じるのかとさえ思ってしまう。

ジョーダンも周りの人間も浴びるように飲んでいた薬物乱用が恐ろしい。薬でヘロヘロになったディカプリの台詞まわしがリアルすぎだ。
好きだったドラマ『glee』のフィン役俳優が薬物乱用で亡くなったのも記憶に新しい。
あの好青年がとショックだった。
つい先日、演技派俳優で知られるフィリップ・シーモア・ホフマンが亡くなったが、死因はやはり薬物乱用によるものだった。
日本も他人事ではない。
薬のネット販売解禁は薬物乱用につながりはしないだろうか。


友人に「よりによってなんでこの映画をチョイスしたの?」と言われた。
確かに下品で俗っぽい成金映画。お口直しが欲しいが、見て損をしたとは思いたくない。
例え冒した罪に対して報いる罰が少なかろうと、人間の欲は果てしなく、人間とはかくも弱く愚かなものだと教えてくれる映画である。
by feliza0930 | 2014-02-21 12:29 | ・MOVIE | Comments(0)