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20分は待っただろうか。その間に何度も「もう自分たちで行くからいい」と断ったのだが、青年は「もうすぐ終わるから待ってて」と言う。

ようやく青年は順番がきて郵便物を出した。
一緒に外を出た。「車があるから行きましょう。」え!車!?歩いてレストランに連れて行ってくれるわけじゃないわけ?車はどこと見るとトゥクトゥクだった。またもやれた。
「宝石を買うつもりはないから。洋服も作るつもりないから。歩いていきますからもういいです」とトゥクトゥクへの積年の恨み(笑)を晴らそうとここぞとばかりに言ったが、青年は(はぁ?)とキョトン顔。「タダでいいですよ。」
そこまで言うならとトゥクトゥクに乗る。川から涼しげな風が座席に入って気持ちがよい。怪しい店に寄らなかった(笑)のであっという間にレストランに着いた。乗せてもらってタダというわけにはいくまい。気持ちばかり渡した。「ごめんなさいね。前にバンコクでトゥクトゥクに宝石店と洋服店に連れて行かれてから」と言うと青年は爽やかに「いいですよ」と笑った。

青年のお陰でトゥクトゥクアレルギーも治ったようだ。
学生さんのアルバイトなのだろうか。ワーキングプアなのだろうか。
人待ち顔でお寺の前にいるトゥクトゥクのおじさんたちとは雰囲気が違っていた。
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レストランの川沿い席は既に埋まっていた。
ウェイトレスに案内された席に着く。ずっしり重いメニューを渡されるが、いっぱいありすぎてどれを選んだらいいのかわからない。と、日本語が聞こえてくる。見れば隣の女性二人連れ。
「それ、美味しそうですね、何ですか」と聞くと「これはガイドブックに載っていたんですよ。」と本を見せてくれる。「でもちょっと頼みすぎたみたいです」。二人で持て余しているようだったので、ビールと大皿料理だけを頼むことにする。
ウェイトレスに「あれと同じのを下さい」。
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年配の女性がお手洗いに席をたった間に「お友達なんですか」と尋ねた。
「親子なんですよ」。二人の会話もていねいだったし体形も雰囲気もまるで違うのでまさか親子とは思わなかった。
「仲がいいんですね。」うちなんか娘と二人だけで旅行したら二日目で喧嘩だワ。「(母は)どこでも行きたがるんですけど、一人ではできない人だから」
タイ語を勉強するためにタイに半年滞在していたという娘さん。お母さんのさぞ心強いガイドになったことであろう。
前回のタイ旅行ではトゥクトゥク詐欺にあった。悪名高きトゥクトゥク詐欺なのにいまだに引っかかる人が後に絶えない、はい、私みたいな者がいるからですね(^_^;)。「いい経験になった」と思うようにするのだが、トゥクトゥクで半日連れまわされ時間がつぶれたことがやっぱり悔しい。タイに行った友達に「〇〇に行った?」と聞かれると「ううん、行っていない」と小声で答える自分。
そして連れて行かれたテーラーで作ったワンピース、物は悪くないのだが実はまだ一度も袖を通していない。野暮ったいし、どことははっきりわからないのだが体に合っていない。先日、思い切ってリフォーム店に持って行った。「襟周りにゆとりがありすぎますね。つまめば何とかなると思いますよ」と言われたがそのままにしてある。
外国で洋服を作るのはもうコリゴリである。
時間が無駄になった上に作った洋服も変となれば、トゥクトゥクにいい感情を持てなくても仕方があるまい。
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ところでワロロット市場は巨大だった。衣料品、食品、雑貨、生活必需品は全てここで揃うだろう。そして安い。菊の花、ナツメ、竜眼、レモングラス、スパイスなどが信じられない値段だ。だが量が多すぎる。こんなにたくさん買ってどうするのか。2年前にタイで買ったトムヤンクンのスパイスがまだ1袋冷蔵庫で寝ている。買うのはやめた、やめた。

市場のアーケードを出た。花屋が連なっていた。花屋ばかり数十はあろうか。この暑さで悪くならないのかといらぬ心配する。11月のチェンマイは過ごしやすい気候と聞いていたのに蒸し暑い。皮靴を履いていったのが間違いだった。足元が暑くて我慢できず、ホテルに戻ればあるのにサンダルを買ってしまった。履き替えて足は軽くなったが代わりに鞄は重くなってやっぱり暑い(-_-;)

f0234728_11541334.jpgガイドさんお勧めレストランは「市場を出てすぐ」のところにあるはずなのになかなかない。人に聞いてもやっぱり「すぐそこ」と指をさす。客待ち顔のトゥクトゥクの運転手が「乗せようか」と言ってきたが断ってまたとぼとぼ歩く。(本当にこの道でいいのだろうか)。
赤い服を着た青年と行き会った。道を聞く。すると彼は「5分で済むからここで待ってて。レストランまで連れて行ってあげるよ。」と建物に入っていく。親切な人だ。だが5分過ぎても出てこない。そのうちお手洗いに行きたくなった。建物に入る。そこは郵便局らしかった。青年はまだ順番を待っているようだった。お手洗いの場所を職員に聞く。
ホテルライフを楽しもうとしたのだが、やっぱり貧乏性の自分。半日ツアーのために早く起きる。
Kさんが「(知り合いの)ガイドを探しますよ」と言ってくれた。知り合いなら心丈夫、お願いしたのだが返事がこない。とうとう「見つからなかった」と言ってきた。シーズンのタイだから無理もない。結局、ホテル紹介のツアーを申し込むことにした。

ワット・プラ・タート・ドイ・ステープ(なんと長ったらしい名前!)は例のKさんの奥さんも◎をつけた名所。「ドイステープ寺に行かなければチェンマイに行ったことにならない」とガイドブックにもある。山の上にあるので自力で行くのはかなり難しいらしい。「タクシーを帰したので帰りが困った」というレビューがあったので最初からツアーで行くつもりだった。

朝8時、ガイドさんは既にロビーで待っていた。
40代くらいのがっしりしたボーイッシュな女性だった。「え?私たちだけ?」「そうですよ。あなたたちはラッキーね。」英語ガイドだから多国籍客になるのではと内心期待していたのでちょっとガッカリしたが、すぐ客が私たちだけなら気も使わないだろうと思い直した。
「いつもこんなに少ないんですか?」「昨日は〇〇ホテルの団体さん。韓国人、中国人に日本人でいっぱいでしたよ。」 お客が私たちだけで申し訳なくなった。
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車は市内を走り抜け険しい山道を登っていく。最初に着いたのはメオ族の集落だった。ワットプラタートドイステープツアーはどれもメオ族集落と抱き合わせになっている。ガイドさんと一緒に車から降りる。細い山道の両脇にぎっしり民芸品を売る店が建っている。日本では購買意欲をかきたてられる民芸品も、こうたくさん同じようなものばかりあってはあまり買う気がおこらない。ガイドさんも「ここよりワロット市場で買った方が安い」と耳元でささやく。民芸品よりここで見るべきものは「けしの花」である。ただし観賞用。
山岳少数民族は現金収入の手段として「けしの花」を栽培していたが、今は政府によって禁止されている。

彼らは独自の文化と言葉をもっているが、同化が進み絶滅の危機に瀕している民族もあるとのことだった。山奥に住む山岳民族を訪ねるトレッキングツアーにいつか参加したいと思う。

出発前にラーンナ王朝をWikipediaで調べる。プリントしたらA4で13ページもあった。行きの飛行機の中で読もうとしたが5分もしないうちにコックリコックリ。やっぱり私は歴史が苦手。特にタイの歴代王様の名前は呪文のようだ。ちっとも頭に入らない。「13~15世紀タイ北部にできた王朝。チェンマイに首都をおいた。後にビルマ(ミャンマー)の属国になった」これで予備知識は充分、と諦めた。
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ワット・プラタート・ドイ・ステープを見てツアーは終わり。ホテルまで送ってくれるのが普通だろうが、ワロロット市場前で降ろしてもらうことにした。「観光客目当てのナイトバザールより絶対お勧め。このシャツも〇〇バーツで買いましたよ。この鞄も」とガイドさんは自慢する。そう、「地元の人々の市場を見よう」も今回の旅のテーマの一つであった。
「たくさん店が出ていても同じものを売っているのですよ」。
タイ人女性と結婚したKさんはチェンマイのナイトバザールをそう言った。
そうかもしれないが、行ってみなくてはわからない。

f0234728_17381345.jpgホテルから歩いて数分、ナイトバザールに着く。迷い込んだら最後、もう戻れなかったバンコクのウィークエンドマーケットと比べるとシンプルだ。まっすぐな通りにタイ雑貨、露店がぎっしり並ぶ。
あんなに大勢いた日本人観光客はバンコクで降りたのだろうか。かわりに目立つのは欧米系観光客だ。タンクトップのTシャツにショートパンツ、サンダルで街をそぞろ歩きして土産店をのぞいている。<←フルーツ>

f0234728_17401210.jpg確かにKさんが言っていたように通りの半分を見れば充分だった。土産品は10カテゴリーくらいに分類できるといっても言い過ぎではない。その中でバンコクや他の店で見なかった小物をゲットした私は偉い(笑)!10バーツだがちゃんと値引き交渉もしましたよ!
店の横で制作実演しているのだから中国製ではないことは確かだった。(安い民芸品は中国製が多いと聞いていたので)<→飾りソープ>

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バザールを出て左に曲がり暗い通り沿いにようやくKさんの奥さんが勧めてくれたカオソイ専門のレストランを見つけた。尋ねたタイ人は皆、「すぐそこだよ」と言うのだけど、タイ人の「すぐそこ」ほど当てにはならないものはなかった。
Kさんの奥さんは結婚前、チェンマイの商店街で働いていたそうだ。チェンマイに行くと言ったら、お勧め食事処、観光名所をちょっとタイ文字チックな英語でびっちり書いてくれた。チェンマイにたった二泊。それも一日目は夜到着、三日目は昼前出発するのにそんなに行けるわけないのだが、せっかくの好意だ。行くのが礼儀というものであろう。


f0234728_1745837.jpgタイ北部名物、カオソイは卵麺の上に、揚げた麺をトッピングした料理だった。付け合せに玉ねぎ、ナンプラー、ココナッツミルク、ライム、砂糖、漬物みたいなもの、バナナに唐辛子がついてきた。麺の周りにずらっと小皿が置かれているのはちょっとしたものだ。スープは牛、豚、鶏から、辛さもマイルド、スパイシー・・と選べる。カレー味のスープはどこかで食べた味だった。う~ん、思い出した!日清のカップヌードルカレー味!カップヌードルはめったに食べないが、カレーヌードルはごくたまだが(1年か2年に一度)無性に食べたくなる時がある。そんな時は我慢しないでコンビニでミニサイズを買ってくる。その味だ!

(こちらの英語も大したものではないが)ウェイトレスがたどたどしい英語で一生懸命説明してくれる。その姿にとても好感がもてた。
冷房の効いていないコーナーで辛さで汗をかきながらカオソイを食べた。これから日清カレーヌードルは『チェンマイの味』になりそうだ。
デザイナーズホテルとは何ぞや。
よくわからないけど(笑)『デザイナーズホテルに泊まろう!』を旅のテーマにした。
今回は二か所で三泊(最初の予定では四泊だったのだが(-_-;))。移動に時間がとられるのでいつもの見てやろう旅でなく、ホテルライフを楽しもうと方向転換だ。

チェンマイ空港から車で約30分。うら寂しいところを通って繁華街らしきところに出る。
賑やかな通りから一本入ったところにホテルがあった。入口に「ネットユーザー高得点!」の看板が立っている。
暗いので建物全体はよく見えないが、明かりが幻想的なホテルだ。中庭のプールの水がきらきら揺れている。タイ伝統服を着たスタッフがお迎えしてくれた。ロビーらしきところでレモングラスのティーと、ハープの香りのおしぼりタオルを出してくれた。タオルの上には一輪の小さな愛らしい赤い花。
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スタッフがホテルの説明してくれた後、「私があなたにメールを書いたんですよ」と言う。
某サイトで宿泊予約した後、私は迎えの車やツアー手配など直接ホテルに何度もメールをしていた。「え!そうなんですか。私はもっと・・・」と言葉を飲みこんだ。「年配の人だと思ったのでしょ?」。そう。メールに肩書きがマネージャーと書いてあったので勝手に50代くらいとイメージしていた。
彼女はいつも返事が早くてそれでいて文面が事務的でなかった。「あなたの名前を(宿泊予定者リストから)見つけて嬉しいです。」なんて書いてあったらこちらも泊まる前から嬉しくなるじゃないですか。
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ホテルは二階建てでプールのある中庭を囲んで建っていた。スパ棟、オープンテラスレストランにライブラリーもあってリゾート気分が味わえる。
調度品は趣味がよい。部屋のいたるところにバナナの葉で作った三角帽子のような飾りと赤い小さな花がさりげなく置いてある。


そしてトイレ。トイレットペーパーの端が蝶々のようにひだひだに折ってある。日本の△印に折ってあるのもいい加減丁寧だと思うけど、蝶とは。タイで感じる「おもてなしの心」である。
でも蝶印のトイレットペーパーに「そこまでしなくていいよ」と言いたくなったけど・・・
窓を開けるとプールが下にある。静かだ。虫の声くらいしか聞こえない。重い扉には宿泊者がいるという印のモビール(?)がぶら下げてあった。f0234728_22253654.jpg
さあ、半袖に着替えてチェンマイ名物、ナイトバザールに行こう!
『断る勇気』と書くと偉そうだが、機内サービスのアイスクリームを断っただけだ(笑)。ちなみにライチのアイスだった。ライチのアイスなんて食べたことがないので心が揺れたが、タイ料理を心行くまで食べるためには機内食はなるべく控えめにしないといけない。
左右の男性もあられやアイスクリームサービスを断っていた。
私の座席はオジサマに挟まれていた。妙な気分である。右の人はミャンマーに、左の人ははビジネスでタイに行くと言っていた。二人ともタイ通のようだったのでいろいろ聞きたがったが、斜め前列に座っている夫の手前(笑)やめておいた。

夫も真ん中席だった。二人とも真ん中席だったから、お隣と座席トレードの交渉しようがなかった。
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<スワンナプーム空港 国内線連絡通路>

入国手続きして国内線乗り換えをした。ツアコンがいないとこういう時は心細いが、何とかチェンマイ行きに乗り込む。1時間の飛行だがサンドイッチとジュースの軽食が出た。
夜7時、チェンマイ空港に着く。手配してあった迎えの車が待っていた。
試験勉強を一旦、中断してネットでホテル予約し、HISに行く。
「帰りの便が2席しか空いていませんがどうしますか?とりあえず押さえておきますか?」と言われた。
夏休みでも連休でもないのにそんなに混んでいるのだろうか。
「11月のタイはシーズンなんですよ。ビジネスで行かれる方も多いです」
2席しか残っていないなら考える余地はない。「じゃあ、お願いします」。
端末に向かう担当者。
ところが「今、1席埋まってしまいました。どうしますか。1席押さえてあとは空きを待ちますか?
同じ値段で提供できるかどうかはわかりませんが」
え、たった今、2席あったのに・・だが言われるままにするしかない。「はい。そうしてください」。
またまた端末に向かう担当者。「あ!また2席になりました。じゃあ、押さえますね」これがほんの数分の出来事だ。まるでニューヨーク株式市場のような動きであった(笑)。

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試験は終わった。
さあ、これから旅行のスケジュールを練ろうとしたら大変なことに気づいた。
えええええええ!ホテル日程と飛行機日程がずれている!
ホテル四泊予約したのに飛行機の日程では三泊しかできないではないか。
なぜこんなミスをしたのか。飛行機を最初に予約すべきだった。慣れない勉強で頭がおかしくなったのに違いない。

翌日、HIS代理店に飛んでいく。便を変更できるか聞く。
「セントレアからだとビジネスクラスしか空いていません。」「関空なら空いていますが、〇万円上乗せ必要です」
エコノミー格安でも値段設定がいろいろあるようだ。
最初に払った運賃+変更料3万円+〇万円上乗せ、そんなに出すならヨーロッパ行きますよ!
便変更は諦め、ホテルを変更した。
キャンセル料発生前で助かった。

タイがシーズンだということはセントレアですぐ知ることになる。
チェックインの前には長い列。
飛行機は満席、夫と私はばらばらの席であった。
出発の朝はせわしい。主婦が家を空ける前にはすることがたくさんある。
それなのに柿を採ろうと夫の鶴の一声。今にも雨が降りそうなどんよりした空だ。
帰ってからでは柿がダメになる、しぶしぶぼろ傘をもってくる。
この間約200個採ったから残っているのはせいぜい30個くらいと思ったのだが、甘かった。
100個もあったからさあ、大変。夕方にはセントレアに出かけなくてはいけない。
急いで「おすそ分けしたいけど」メールをあちこちに出す。すぐ返事が返ってきた。

f0234728_16261948.gifそうこうしているうちに雨がぽつぽつ降りだしてきた。
スーパーで段ボールをもらいに行く。その頃には雨は本降りになってきた。
葉つき柿も入れ丁寧に箱詰めしてメッセージを添え宅急便で送る。
沖縄出身の友達、一軒を除いて・・・
彼女から「柿は大好物♡なので是非、欲しい」とメールをもらったのだが住所がわからなかった。
多分、今、彼女は勤務中である。だがこちらは家を出る時間が迫っている。
スーツケースを車に積めようとした時、ようやく返事がきた。
外は既に暗くなっていた。
セントレアに行く途中、郵便局に寄り、彼女に柿を送った。間に合ってよかった。


*数日後、送った柿で作ったという柿酒の写真とお礼メールをもらった。
出発の日、せわしかったが、喜んでもらったようで嬉しかった。
チコリを知っていますか?
西洋では『ハーブの王様』と呼ばれるキク科の野菜です。葉先がうす黄色い、小さい白菜のような形をしています。ほろ苦さと甘味がくせになるみずみずしくてシャキシャキした味と食感が特徴です。
~ちこり村説明より
(*フランス語名はアンディーヴ

中津川にチコリのテーマパーク、ちこり村があると聞き、次の日に行くことにした。
駅からバスに乗るつもりが宿の人が「(宿から)ちこり村までお送りしますよ」と言ってくれた。

ちこり村でのお目当てはビュッフェスタイルの『バーバーズレストラン』。中津川の農家のお母さん(ばーばー)が作る、旬の野菜を使った家庭料理を満喫できるレストランである。野菜好きにはたまらないではないか。
前もって予約してあったので時間までちこり村館内を見ることにする。
「ちこり生産ファーム」と「ちこり焼酎蔵」をどこかの団体さんと一緒にまわったのだが、おしゃべりが賑やかで全くと言っていいほど説明が聞こえなかった(-_-;)。
ただ、チコリは工場で水耕栽培していることはわかった。ガラス張りになった工場を栽培工程に従って上から眺める。おや、上を見上げて見学している我々に手を振っている人が!
チコリの根(芋のような部分)を切り取る。上の葉部分がチコリとして出荷され、芋は焼酎や焙煎されてお茶に加工される。西洋では捨ててしまう芋部分を利用して商品化とは日本ならではの発想である。
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f0234728_17271350.jpg売店では、高級野菜であるチコリがお得なセットとなって売っていた。その他、「ちこりスープ」、「ちこりプリン」、「ちこり茶」とチコリ芋を使った粕漬け等、チコリのオリジナル加工商品の多いことに感心する。買い物したらレジで「かいわれ」と「もやし」のおまけをもらった。(元々、ちこり村の経営母体のサラダコスモは発芽野菜栽培が本業。)夏場は足が早いですものね。お陰で旅から帰った次の日の献立は「もやしのナムル」「もやしと豚肉のキムチ炒め」「かいわれとチコリサラダ」と発芽野菜だらけだった(笑)。

f0234728_9155915.jpgお目当てのランチの時間がきた。なんと整理番号1番である。案内された席に座る。テーブルには9つのしきりがあるお皿が用意されている。ビュッフェコーナーをざっと見た。さすがに野菜料理が多い。鶏のから揚げ、シシャモの天ぷらぐらいじゃなかったかな。単品の肉魚料理は。

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ここのレストランはチコリ料理の普及も兼ねているのだろう。「ちこりレモン煮」「ちこりの天ぷら」「ちこりの味噌和え」「ちこりのゼリー」「ちこりのサラダ」etc・・・他ではなかなか見られないメニューである。
チコリ以外の野菜料理も多い。ボリュームがほしい男性陣には野菜カレー、お寿司、お赤飯、五穀米など主食があるし、甘い物好きの女性には小松菜のケーキ、ココアのケーキ、コーヒーゼリーなどのデザートコーナーが用意されている。コーヒーは豆からひいてドリップするので香ばしい。ほら、よくありますよね?ビュッフェレストランのコーヒーってただ色がついているだけというのが。
飲み物コーナーには「ちこり茶」。黒豆茶やウーロン茶など健康志向のおかあさんにも嬉しい。
勿論、お代わり自由。これで大人1,380円とはかなりお得。料理は薄味でどれも美味しい。いつも地元に人で賑わうというのも納得であった。
朝はお天気だったのに雲ゆきがちょっと怪しくなったが、ちこり村からタクシーに乗ってふれあい牧場に行く。
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<ふれあい牧場の展望台から眺めた風景>


f0234728_17403799.jpg青空が戻った。ギラギリ照りつける太陽が肌をさす。高原の紫外線は強い。梅雨開けは近そうだ。

旅から戻ったら東海地方は梅雨が明けた。
今年の夏の家族旅行は早くも終わり、B面の夏休みが始まった。
旅の宿選びは重要だ。宿で旅の印象が決まると言っても過言ではない。
春の東京大阪突貫旅行(笑)の宿はアクセスの良さと安さがポイントだった。
今回、行くところは都会ではない。田舎ならではの趣のある宿をと探す。せっかく個人旅行をプランするなら団体さん御一行の旅館やホテルはできればパスしたい。

今回も私の旅センサーは大当たり!
1万坪の敷地に6軒の古民家からなる宿を見つけた。三連休なのに空いている!
調べれば皇太子様(今の天皇)がお泊まりになった宿というではないか。基本プランを選べば泊まれないほど高くはない。1万坪の敷地、寛政の古民家あり、高浜虚子と若山牧水の歌碑があるという歴史ある宿。それにもかかわらず祝日なのに平日と同料金、二人でも六人でも一人当たり同料金ということを考え合わせば、むしろ良心的な価格設定だ。宿は中津川駅から車で5分とあったので平地にあるのかと思いきや、どんどん車は上っていく。
山の中腹あたりで車は止まった。宿の玄関で仲居さんがお出迎え。最近、とんとそういう宿と縁がないのでこっぱずかしい。仲居さんが案内してくれた離れは私がひそかに希望していた藁ぶきの庵だった。(離れのタイプはリクエストできない)
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二間の和室にトイレと洗面所がついている。お風呂(温泉ではない)は別棟にある。
部屋には意外なことにクーラーがつけてあった。
障子を左右に開け放した。ぱ~と一面に広がる緑。緑の合間から向こうの山が見える。
最高の眺望である。何よりの贅沢な空間だ。
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ここは隠居所だったらしく贅を尽くした調度品はない。建具に古さはさすがに否めないが、よく手入れされているのが窺えた。
西側にガラス戸がなかった。障子だけだ。「え!寝る時どうするの?」と言ったら夫が「雨戸があるじゃないか」。
玄関の外から鍵はかけられない。散歩やお風呂に行くときは開けっ放しということだ。
まだ明るかったので周りを探訪する。どこに皇太子様がお泊まりになられたのかな、ここかなあ、と漏れてくる明かりから室内を想像する。
お風呂にいく家族連れと出会う。「こんにちは」と自然に挨拶がでる。
娘たちは隣の離れだ。
点在する離れの間を仲居さんが急ぎ足で料理を運んでいる。今日はお天気だからいいようなものの雨が降ったらどうするのだろう。料理が濡れないようにと傘を差して片手で料理を運ぶのか。階段もあるので転ばないように足元にも気を付けないといけない。あわて者の私にはとてもできそうもない。
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<左上より時計回りに、小鯛笹寿司・里芋きぬかずぎ・ずんだの青梅見立て・南瓜とクリームチーズの枇杷見立て・ほおずき+湯向きトマト>*名称は適当です(^_^;)
最後の〆は鮎雑炊と季節感あふれる心づくしの夕食をいただく。
快い疲れで眠くなりいつもより早めに床に就く。
今日もむし暑かった。宿には自動販売機がないため「お水が欲しい」と言ったところ、もう枕元に用意してありますとの返事。これよね。『日本の宿』の心配り。外国のホテルには到底できないわ。