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「何時間佇んでいても全く飽きの来ない魅力を湛えている。・・・こうして誰かと賑やかに工場話を交わしながら過ごす穏やかで風通しの良い瞬間も・・・実は本当にかけがえのない大切なものだと再認識する」

そんな『工場萌え』文もいつしか記憶の隅に追いやられていったこの夏、思いがけない形で『工場萌え』に再会した。『コンビナート夜景クルーズ』のポスターだった。
四日市港を船で一周し、ポートビル展望台より夜景を眺める。土曜は四日市名物『とんてき』を料亭でいただくディナークルーズらしい。
マニア人気に、お役所が地域興しにと目をつけたのであろう。

ポスターに誘われてポートビルに上ってみた。開港100年を記念して作られたこのビルの14階に展望台がある。
伊勢湾、鈴鹿の山々、遠くはセントレア空港まで見渡せる壮大な360度パノラマだ。間近にはコンテナやコンビナート群が見える。まぶしすぎる日差しが痛い。
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ところが夜になると景色は一変する。
『100万ドルの夜景』と称される香港にも負けないというと誉めすぎだが、コンビナート工場の明かりが星のごとくキラキラと美しい。長島温泉で打ち上げられる花火も向こうに見える。音のない花火は幻想的だ。
ここが四日市であることを忘れてしまう。
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ビルから外を出ると潮風が気持ちよかった。
次に来るときは『オイルマン』だった父を連れてこようと思った。
その一風変わった雑誌と出会ったのは二年前のことだった。
ワンダーJAPAN』という本は<日本の異空間探検マガジン>というコンセプトの元に、廃墟、奇妙な建築物、珍寺などを紹介していた。世の中には、世間の常識からは美しいとは言い難いものに美を感じる人種がいることを、私は初めて知った。
創刊号の巻末に『萌える工場』記事が載っていた。
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『萌える工場』
wami氏によると四日市は工場マニアにとって聖地らしい。公害で有名になった街だが、悪いのは環境に配慮しなかった人間で工場自体に罪がないと彼は言う。
新宿から高速バスに乗り早朝、四日市に着き、胸を熱くしてプラントを心行くまで見て回ったという話に私は驚き、半ば呆れてしまった。(物好きな人もいるものだ・・・)

しかし、見開き写真の下に載っていた筆者の文章からは工場への愛がほとばしっていた。人は並外れた愛があると名文が書けるのか。文章には、私たちが未だかつて味わったことのない世界へ誘ってくれるような力があった。

"多くの工場好きが四日市に惹かれてやまないのは、どこまでも連なるプラントを遠くに近くに眺められる緩急織り交ぜた視線の美しさと、密度高く並んだ様々に異なるディテールを持つプラントが角度によって全く新しい情景を形作る美しさ、その両方を合わせ持つ懐の深さが大きな要因かもしれない。そう考えながら移ろい行く時間の流れで目の前に広がる風景を眺めているだけでも胸が熱くなる。"


23号線を走る度にwami氏の描写が頭に浮かんだ。
だが、大型トラックに挟まれビクビクしながら運転する私には、窓の外を流れゆくコンビナートの群れをじっくり眺める余裕はなかった。
タイでトゥクトゥク詐欺にあった。
私のように詐欺にあった人がいるかどうか、得意の(笑)ネットでググってみた。
すると、出てくる、出てくる、ワンサカワンサカ、体験談。
海外旅行者のバイブル『地球の歩き方』にも載っているというじゃありませんか。

私は我が国ニッポンで横行する『振り込み詐欺』と比べてみた。
どちらも情報弱者がターゲット。方やお年寄り、方や言葉に不自由な旅行者。
違うところは『振り込め詐欺』は次々と新手の騙しを編み出し進化している。対して『トゥクトゥク詐欺』は登場した10年前とほとんど手口が変わらない。それで騙されるのも騙される方なのだが、当方は土地に不案内な外国人だから仕方がない。
だが、観光王国、タイよ。それでいいのか。タイの評判を下げているというのに、手をこまねいて見ているだけか?
ここでトゥクトゥク詐欺の手口をまとめてみよう。
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1.バンコクの王宮、ワットポー前に集中して出没。
(バンコクのトゥクトゥクはトラブル率高し)
ガイドブックをもってウロウロしている観光客に近づく。

2.「お祈りの時間で中をみることができない」と声かける。「その間、格安でトゥクトゥクでお寺を3ケ所くらいまわる。(連れていくお寺はかなりショボイです(笑))」「(政府直営の)宝石店に寄る」滞在時間に余裕があれば「イージーオーダー店に寄る」
2’.お寺にグループの一味が待ちかまえている場合もあり。

3.ガソリンを入れるという口実で連れて行った店で待たせる。
呆れるほどワンパターンですね!

詐欺グループは複数あり、各々の宝石店とイージーオーダー店と提携(つるむ)しているようだ。
私達が連れていかれた店は大きくて立派だったが、そうでない店もあるらしい。
客を連れていくと、運転手は店からガソリンクーポンをもらう(ガソリンを入れるというのはあながち嘘ではなかった)。売り上げに応じて店からバッグマージンをもらう。
粗悪な宝石、注文した生地と違う等の被害報告あり。さすがに偽物をつかまされたり、カードスキニングはないようだ。応用編(?)としてトゥクトゥクが、勝手に高額レストランやディナークルーズに連れていくケースもあった。

トゥクトゥクではないが、トランプ(賭博)詐欺もある。
親しげに近づき家に連れていき、トランプをして巻き上げる。この話はタイに旅行した友達からも聞いた。

トゥクトゥクを使わず体一つで(?)言葉巧みに近づいて、宝石店やイージーオーダー店に連れていく詐欺師もいる。こうなると客引きとどう違うかという話だが・・
明らかにわかる嘘をつく詐欺師に遭遇した人もいた。元ユニセフ職員と称した詐欺師、娘が奈良女子大に留学しているという関西弁を話すおばさん詐欺師ペア。想像するとちょっと笑えますね。

インターナショナルシティー、バンコクはまるで詐欺師のデパート。
しかし、ヨーロッパで耳にするパスポート狙いの首締め強盗、ケチャップをかけたり、周りをぐるりと取り囲む強盗ほど極悪ではない。チョイ(?)悪で小ずるい紳士たち。
バンコク、どうやら様々な詐欺師たちが棲息するかなりファンシーな街のようだ。

これから行く人、注意しましょう。
それでもまんまと騙されたら・・・
授業料と思いあきらめましょう。そして彼らのバイタリティーに感心しましょう。
これも『旅の思い出』です。
それも絶対に忘れ得ない『特上の思い出』になることを120%保証いたします。

(*似たことはどこでも起きていると思いますが、他のアジア諸国の詐欺事情は詳しくないのであしからず)
タイから帰ってきてもうすぐ1週間だ。

blogは自分のために書いているものと今回ほど実感したことがない。
食べてみないとわからない料理と同じで、旅もその場所に行っていないと共感しにくいテーマだ。知らない地名の羅列に、タラタラと続く文章。本人にとっては思い入れのある記録でも、読む人にとっては正直(もういいよ)だろう。だから自分以外に読んくれる人がいることだけでも感謝の気持ちだ。

そして書くにつれてタイ旅行の感想も変わってきた。

正直いうと初日のトゥクトゥク詐欺(?)、帰国してからもかなり引きずっていた。もっと下調べしていたら、もっとうまく立ち回っていたら、ツアーを利用していたらこんなことは起きなかった。日本人観光客の足元を見ているトゥクトゥクやタクシーに疲れる。

だけど価格は需要と供給のバランス。女一人でタイ旅行をした友達が言っていた。「チェンマイでは欧米人がホテルの値段さえも交渉して決めていく。日本人は交渉に慣れていないので疲れてきて何百円、何十円にこだわるエネルギーがなくなってくる。」
交渉苦手が国際社会での駆け引き下手につながるのでは、とは少し飛躍しすぎだろうか。
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片言の日本語を話すタクシーやトゥクトゥクの運転手は多い。彼らはフランス語やスペイン語も話すだろうか。「日本人は甘い」という認識をぶち破るためにも、次にくる日本人旅行者のためにも言い値にすぐに応じてはいけない。と思いつつも、日本の100円が彼らの生活を支える一面もあるのは事実だ。正解はない。

とにかく、駆け引きと、人が放つエネルギーを楽しむことができてこそ、アジアの旅はより楽しくなるのだろう。

ショックを受けたことも、旅行者に不親切なためウロウロしていたことも、今ではかけがえのない体験だったと思える。書いたblogを読み返すと、私は私なりの"なかなかの旅”をしてきた。
不思議なことに、一度行けば充分だと思ったタイにもう一度行きたくなった。
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●ペアのスーツケース
だからと言ってラブラブではありません(笑)。疲れてくると・・・




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●トイレの標識
アユタヤで見ました。
「女のトイレ」「チイッシュ」の表記が笑えます。



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●スパイス売り
水上マーケットで売っていたスパイス。
ウィークエンドマーケットのスパイスショップの10倍の値段がついていました。
タイでは値引き交渉、これ常識。



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●人形劇場のホール
小さなハートの紙に字が書いてあります。
出演者へのファンレター、それとも劇の感想?
ミミズがはっているような、でもとてもキュートなタイ文字が読めないので、内容は想像するしかありません。



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●国王の肖像
タイの国民に敬愛されている国王。至る所で肖像を見ました。
列車の駅の天井にも飾ってありました。しかし皇太子は人気がないとか、それって本当?



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●美味サンドイッチ
ホテルのベーカリーで買いました。
ニューハーフショーを見に行く日の夕食です。この日も時間がなくて(泣)簡単な夕食でした。
生地にひまわりの種が入っているパンに、ズッキーニなど野菜だけのマリネのサンドイッチ。
しかしこの美味しさ、半端じゃなかったです。



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●猫天国
タイは猫天国?寺院の至る所で猫を見ました。
元気な猫に比べて犬は暑さでくたばっていました。





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●ドリアン
ホテルに帰る途中、ドリアン露店と遭遇。何十個も買っていた中国人に(あんなに買ってどうするのだろう)勧められて味見。まぐろのような味でした。日本では超高級だけど1個200円くらいなので一つ買ったら、皮をむいて切ってくれました。食べきれなかった分はタッパーとビニール袋に入れてホテルの冷蔵庫に。4時間後、外出から戻ってきたら、大変なことに!冷蔵庫だけでなく部屋も匂う。
トイレに備えてあったアロマをたき、防臭効果のあるアロマスプレーもしました。問題はどこに捨てるか、部屋もNo、トイレもNo、どこに捨ててもホテルに迷惑がかかる。考えた挙句、フロントまでもっていってチップを払い、捨ててもらいました。聞いてはいたが、想像以上の強烈な匂いでした。



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●ハート型の西瓜
ホテルの朝食のブュッフェのフルーツコーナーに並んでいた、ハートに細工した西瓜。
最後はエキサイティングな経験をさせてくれたタイに愛を込めて(^_-)-☆
昨日の昼はドーナッツとコーヒー
夜は屋台でのチャーハン。

今日の昼はバナナだけだった。

だから出発の日の夜のタイ料理を楽しみにしていた。
それも滅多に日本で食べることができない王朝料理だ。
20パーセント引きで食べられる宿泊者特典がある。
6時開店だが、出発の時間があるということで5:30に予約を入れた。
いつも何でもぎりぎりの私たちが、珍しく時間通りに行ったのに店は開いていない。
これもタイ流とあきらめ入り口の待合い室で待った。

6時、案内された部屋はさすが豪華。一番安いセットメニューを頼む。前菜、スープ、メイン、どれも美味しい。
何しろ朝ご飯をのぞき、ここ二日で初めてのまともな食事。
そこで夫が一言「これって中国料理じゃないか」
そういう言えば・・・なぜ今まで気がつかなかったのか。
チャイナ服のウェイトレス。どう考えても中華料理メニュー。
私はタイ王朝料理は中華料理に似ていると思って内心がっかりしていたが、深く追求するにはお腹が空きすぎていた。間違いに気づくには疲れすぎていた。ウィークエンドマーケットから焦ってホテルに戻り、汗だくになって大急ぎでスーツケースを詰める。フロントに鍵を返した時は15分の遅刻。その疲れで思考停止になっていたのかもしれない。

食事はメイン料理までいっていた。自分の迂闊さに腹がたつが、今更変えるわけにはいかない。

お勘定になった。割引キャンペーンはもう終了したと言う。夫が宿泊者の特典としてHPに載っていたと言うと、40日以内にバンコクに戻るなら割り引きするという。
「とても無理だ」というと、「ではあなただけ特別に」と結局10パーセント引きとなった。

タイ料理店はエレベーターのすぐ近くにあった。入り口には店の人が立っていた。「5時半にくる予定の日本人はどうしたのだろう」と思っていたのかもしれない。席の予約だけだったので「ごめんなさい」と私は心の中で謝った。(今思うとちゃんと謝った方がよかったのだろうが、その気力が残っていなかった。)
もう空港に向かう時間だった。

食べ損なったタイ王朝料理。 いつかリベンジしてやる!
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水上マーケットからウィークエンドマーケットへ

f0234728_2234257.jpg土曜日はウィークエンドマーケットが開かれる日だ。

チャトゥチャック・マーケットの入り口に立った途端、クラクラ目眩がしそうになった。
外国の市場にはいくつか行ったことがあるが、ここまで巨大なのは初めてだ。(後で知ったのだが世界最大規模らしい)
うだるような暑さと、人混みが発するエネルギーで市場から湯気が出ているようだ。
スパイシーな、酸っぱい匂いがあたり一面に充満している。今まで嗅いだことがない匂いだ。
蜘蛛の巣のように四方八方に広がる露店に、自分が一体どこにいるのか見失う。
実際、5分前に立ち寄った店に、どれだけ探しても戻ることができなかった。

もし、ヘリコプターで上空からこの市場を見たら、人が蟻のように群がっているように見えるだろう。
人種のるつぼの人群れ、溢れかえるモノ、モノに圧倒されてしまう。
何も買わないでウロウロしているだけで時間がたつ。

今日は日本に帰る日だ。交渉して延ばしてもらったチェックアウトタイムが迫っている。
時間の読みが甘く、BTS(スカイトレイン)駅まで走る、走る。
水上マーケット』はタイ観光の定番だ。
午前中のみ開かれるので朝早くホテルを出る。公共交通機関がないのでタクシーに乗り1時間半。
ダムヌン・サドゥアックに着く。
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手こぎ舟に乗り、ゆっくり運河を周遊する。運河の両岸には雑貨や土産物、食べ物を売る露店がぎっしり並ぶ。果物や食べ物を積んだ舟も近づいてくる。
気になるお店があると、漕ぎ手に言って舟を泊めてもらう。私たちと同じように観光客を乗せた舟も行き交うので、舟がよくぶつからないと感心する。
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途中にココナッツファームに上陸する。
ココナッツ菓子の試食をしたり、お土産品をぶらぶら見てまわる。そこでラナートのミニチュア発見!
風の前奏曲』で知ったタイの伝統楽器だ。少しかさばるけど、他では見なかったものだ。
「映画を見てこの楽器を知った。すごくよい映画だった」と言ったのが効を奏したのか、「負けて」と言わないのに、100バーツ負けてくれる。店のおばさんは「娘達には小さい頃から伝統楽器を習わしてきた。音楽は世界で通用するからね」。「偉いね」と言うと、「私は娘達が勉強できるように一生懸命働くだけ」。
母の想いは世界どこでも同じだ。

大して土産を買っていない夫の質問にも、丁寧に答えてくれる。
とかくたくましい商魂の人が多い中で、ほっとする”タイのおばさん"だった。
ナイトマーケットとして有名なルンビニに行った。
きらびやかなネオンで飾られたゲートが夜の街にひときわ目立つ。巨大なビアガーデン、テラスカフェ、ブティック、路地裏までびっしりつまった露店。
そこの一角にある人形劇場は、テラスレストランの奥にあった。こじんまりしているが、なかなか綺麗な劇場だった。
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開演まで時間が迫っていたので、向かいの屋台で「一番早くできる」チャーハンを頼んだ。
断言してもいい。今まで食べた中で最高に美味しいチャーハンだった。蟹も入っていた。ビールも頼んで二人で300円くらいか。タイ飯は安くて旨い。


人形劇はかなり前衛的なものだった。いわゆる観光客向けのショーとは違うようだ。
伝統人形劇と、舞台袖で、実在した人形師の回想劇とが同時進行する凝った演出だ。
その人形劇も最初こそ普通だったが、突然、ステージが90度回転し、人形操り師たちを真横から見ることができた。そして操り師が壇から離れ、舞台で人形と一緒に伝統舞踊を舞う。
三人一組が一体の人形を操り踊るさまは実に面白い。
生ではないがバックには『風の前奏曲』にあった民族楽器ラナートの調べも流れる。

残念なことに英語字幕が小さく見にくいので、内容が今ひとつわからない。
心地よすぎる民族音楽とアユタヤ観光の疲れでついウトウトしてしまったが、余興に、唐突に現れたマイケルジャクソンに扮した人形が『スリラー』を踊りだし、目が覚めた。
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終演後、カフェでコーヒーを飲んでナイトマーケットを後にした。地下鉄の駅に着いた時にはとっくに10時をまわっていた。明日の朝も早い。
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アユタヤはバンコク郊外にある世界遺産の遺跡だ。
普通、ツアー利用かタクシー利用で観光する場所だ。
しかし、私はあえて列車で行き、駅でレンタサイクルを借りる計画を立てた。

列車の駅はホテルの最寄り地下鉄駅から二つ目の地下鉄駅に隣接している。地下鉄駅はホテルから1分だ。駅から至近距離だからこそ、このホテルをとったのだ。タクシーばかり乗っていてはメリットがない。
しかし一日11本の列車。乗り遅れたら大変だ。朝ご飯はホテルにランチボックスにしてもらって6:30出発。
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何事にも用意周到でない私たち。下見していないので、駅まで1分がBTS(スカイトレイン)駅の方に間違って行きそうになり、数分ほどかかってしまった。プラットフォームも、不親切な駅員さんのせいでよくわからず、上ったり下ったりして時間を食う。焦る。結局、人に尋ねてようやく地下鉄に乗り込んだのが6:40。地下鉄を降りてから列車の駅まで走る、走る。やっと見つけた切符売り場。6:55。セーフだ。「7:00発アユタヤ行き2枚」と言う。「40バーツ(100円)」あまりの安さに聞き間違いだと思った。

列車は"旅する気分"を味わえる。冷房はないが、全開の窓から入る自然な風が気持ちよい。
窓から見える人々の生活。線路を歩く人、物を売る人。ご飯を食べる人。ゴミの匂い。人の匂い。寝そべる猫。線路も生活の場だ。
バンコクから遠くなるにつれ停車駅も少なくなり、電車の速度も速くなる。
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8:45。アユタヤ駅に着いた。
レンタサイクルは一台しか残っていなかった。どうやら今日から学校の夏休みが始まったためらしい。

ガイドブックを開くと、寄ってくるトゥクトゥクの客引き達。昨日、乗るまいと誓ったのだが、他に手段がない。ガイドブックに載っている相場より安くすると言うので、仕方なく再びトゥクトゥクに乗ることにした。
アユタヤは広い。後で聞いたのだが、夕方に自転車に乗っていると野犬が追いかけてくることがあるそうだ。昼間はあまりの暑さで、犬たちはグタっとしているのだが。
自由に自転車に乗れたり、歩いたりできる日本はつくづく平和だと思った。

トゥクトゥクで遺跡を巡り、最後にエレファントパークで象に乗った。
象に乗るなんていかにもだなぁと内心思ったが、これがなかなかよい。象の背中に乗って広大な公園や遺跡を周り道路を横切る。象の身長は高い。揺られながら上から風景を見下ろすのは気持ちがよい。心なしか風も感じる。
私たちが乗った象の象遣いは年配の人だったが、象の背中の上で赤い上っ張りを着て客待ちしている象遣いの中には若い青年もいた。彼らは一日の大半を象の上で過ごすのだろうか。

昨日のことがあるので心配したが、その日のトゥクトゥクの運転手には何の問題もなかった。飲料水を買ってくれたりして気を使ってくれる。トゥクトゥクにもいろいろな人がいるとわかり、少し安心した。

山田長政記念館のおみやげ店の店主(日本人)が「アユタヤのトゥクトゥクはバンコクと違って悪質なのは少ないですよ。」と言う。都会で生活すると人の心がすさんでくるのだろうか。
トゥクトゥク運転手は客が観光している間、暇じゃないだろうかといらぬ心配したが、仲間とおしゃべりをして過ごすようだ。タクシーにせよ、トゥクトゥクにせよ人を待たせて観光するのは居心地が悪いが、郷に入っては郷に従えだ。タイでは仕方がない。何しろ大抵の観光スポットに行くのに、車で○○分かかる所ばかりなのだから。炎天下では何時間も歩けない。

あまりの遺跡群でこれ以上見ても頭に入らないと、時間で切り上げアユタヤ駅に行ってもらった。バンコク行き切符を買ったら行きより10バーツ安い。
定刻より数分遅れていたせいだろうか。そのおかげで予定より一本早い列車に乗ることができた。
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しかし、まるで戦後の舞台の映画のように列車の乗降口のステップに人が鈴なりに乗っている。
うへ~、これで2時間近くは勘弁、振り落とされると思ったが、後ろから人が乗ってくるので引き返せない。押されるままに車両に入ったら中はそれほどは混んではいなかった。が、もちろん空いた座席はなかった。
しかし一人の男性が親切にも席を譲ってくれた。
コトコト揺られると自然、コックリコックリしてくる。タイの電車は、飲み物やお弁当売り以外にはおしゃべりの声があまり聞こえてこない。

地下鉄5分-15バーツ
BTS(スカイトレイン)20分-40バーツ
列車1時間40分-(行き)20バーツ
           (帰り)15バーツ
列車の運賃はなぜこんなに安いのだろう。

バンコク駅に着き、駅構内2階のカフェでコーヒーとドーナツを頼んだ。タイのコーヒーに外れはないようだ。美味しいコーヒーを飲みながら、駅構内を様々な人が行き交うのを眺めた。
駅の天井にも国王の大きな写真が飾ってあった。