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今まで見えなかったのに、突然その存在に気づくことはないだろうか。
私にとってそれは補聴器の店だった。

母が耳が遠くなった。
声をはりあげないと聞こえない。
テレビは耳をつんざくばかりの大音量だ
日毎、聞こえが悪くなっていくようだ。
困っていたところ、補聴器店の折り込み広告が入ってきた。
探し当てたその店は、何のことはない、よく知った大通りにあった。「聞こえの相談室」で勧められた補聴器の高いこと。返事は保留にした。
ほどなく別の補聴器店の広告も入ってきた。
そこは最初の店の通りをはさんだ側にあった。
隣にも別の補聴器店があった。
すなわち大通りをはさんで三軒あるということだ。
今まで全然気づかなかったことに驚く。

それ以降、どこを歩いていても、運転していても補聴器店の看板が目に飛び込むようになった。
眼鏡屋さん、郊外のショッピングセンターなどなど。

それだけ聞こえなくて苦しんでいる人がたくさんいるということか。

結局、母は値段に折り合うものを買った。
しかし迂闊だった。電池入れがこれほど大変だとは考えもしなかった。私でさえすぐにはできない。
パニックになっている母。
私がやるからと言ってもなかなか聞かない。

デイサービスの職員の方は「せっかく買われても、違和感でしない人が多いです。ほとんど聞こえない人とは筆談しますよ」と言われる。

年をとることは「音のない世界」に足を踏み入れることだ。
補聴器を使うにもままならない。大好きな音楽も遠くで聞こえる。お気に入りのドラマの台詞も聞き取れない。家族の話に加われない。
想像してみた。
暗闇に一人取り残された気がした。
f0234728_0542681.jpgトリオだけど一人の『大橋トリオ』。

作詞作曲、マルチに楽器演奏するアーティストです。
インパクトのある名前に反して曲は無色透明。
まったりしていてカフェで聞くのにピッタリだ。
実際、私は地元のカフェで彼の曲をキャッチした。

しかしこれがなかなかのスルメ。
最初はイージーリスニング風なのが、次第に染みていつの間にか癒されている自分に気づく。
大橋トリオは独特な音楽空間を創り出す。

今年の1stライブは夜の遊園地をイメージした幻想的なステージだった。ぎこちないMCからかなり緊張しているのが手に取るようにわかった。大橋トリオはロンゲにシルクハットを被り、口髭をたくわえた華奢な人だった。しきりに髪をかきあげる仕草にナルの匂いがした。
英語の歌になると、別人のようにやたら上手くなりシャウトして歌う。
一体、シャイなのかナルなのか、歌が上手いのかそうでないのかわからない不思議なアーティストだった。

今回のアルバム『NEWOLD』は布袋寅泰、手島蒼等をゲストに迎えて制作したもの。お洒落な曲の中に、なぜか泣きたくなるしっとりした曲がはいっていて前作以上の出来だ。
来年早々に、このアルバムをひっさげてのツアーがある。
今度は一体どんな顔を見せてくれるだろうか楽しみにしている。
夫が知り合いから鹿肉をもらった。

猪は勿論、羊でさえ食べることができない動物愛護協会員の私、嘘ですけど(笑)。仕留めたばかりの新鮮な肉と聞いても、食べる気に一向になれない。下さった方の気持ちはありがたいし、こんなことを言っては申し訳ないのだが。
つい奈良公園で観光客と戯れる鹿が目に浮かんでしまう。

牛肉や豚は食べられるというのに、同じ四つ足動物、どこが違うというのだろう。
結局、理屈じゃない、生理的なもの。

日本の捕鯨が世界からやり玉にあがっている。
反捕鯨映画『The Cove』も作られた。
捕鯨問題は政治的な絡みもありそうだが、元は「鯨を食べるなんて」の生理的嫌悪感からスタートしているのではないか。


ところで問題の鹿肉はというと、夫が冷凍庫に入れてしまった。
我が家の冷蔵庫に鹿肉が眠っていると思うと、何ともいえない気持ちになる。
いつの日か長い眠りから覚め細胞分裂を繰り返し鹿となり、夜中に冷蔵庫がうなり、中から飛び出してきたらどうしよう・・・なんて忙しい年末なのに、ホラー映画みたいなアホなことを考えている。
f0234728_17131698.jpg世間とは冷たいもので、あんなに浮かれていた街のクリスマスも25日には色褪せ、26日ともなると、もう影も形もない。我が家の玄関のサンタクロースの人形が、居心地悪そうに肩をすくめて立っている。


イブのスペシャル番組『クリスマスの約束』。略して『クリ約』。小田和正が親しいアーティストに呼びかけて始まったライブも、もう10回目。
昨年、友達がDVDを貸してくれこのライブを知った。
早送りしたからか、ラストで出演者達が感極まって泣いているのを見ても正直(ふ~ん)だった。
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あれから一年。
イブの朝、新聞全面広告が目に飛び込んできた。録画予約したにもかかわらず、深夜リアルタイムで2時間視聴。
よかったです。やはり早送りでは空気感が伝わりませんね。
MCは小田和正とスタレビの根本要、スキマスイッチの大橋。辛口でクールな小田を要がフォローする。スキマもいいかんじで絡む。

ゲスト一人ずつが持ち歌や、スタンダードや知られざる曲をカバーし、オリジナルに負けない編曲で聞かせる。
キロロ、美声が戻っている。相変わらずのクリスタルボイスの小田。ハスキーボイスの要と、スキマのハモリ。松たか子が上手くなっている。若手代表、清水翔太。そして、愛すべきキャラ、MONGOL800のキヨサク。
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売れっ子たちが何度もリハ重ねて実現する、年に一度の『クリスマスの約束』には、歌を愛する気持ちがいっぱい詰まっている。出演者が楽しそうなのがこちらにまで伝わってくる。
来年も元気で見られますように♪
一日遅れのメリークリスマス
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     不自由が
     自由を教えてくれる

     失うことが
     幸せを教えてくれる


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


     あまり簡単だと
     おもしろくない



    『やっぱり今がいちばんいい』
              エム・ナマエ
<エピソードⅡ>
カメラマンの青年が通りがかりの女性に一目惚れ。仕事先を突き止めた彼はファインダーごしに彼女を見つめ続ける。

初めは警戒していた彼女だが、いつしか恋人に。
しかし、彼への気持ちに自信がもてず姿を消す。
失意の彼も町を去り・・・
時がたち、ある町で偶然、再会する二人。
ねぇ、縁って信じる?
彼の部屋のベットでの会話。

翌朝、彼女はパジャマのままお鍋をさげ、広場の屋台に朝ご飯を買いに階段を降りる。
アパートの部屋に戻ると違う人が出てくる。棟を間違えたのか。隣のアパートへ。ノックするが知らない人が出てくる。階段をかけ降り、隣のアパートへ、そして隣のアパートに・・・・
途方にくれる彼女。
広場に鍋をさげ、立ち尽くす彼女と、広場の周りに林立する高層アパート群を、カメラがグルグル回って映し出す。
シュールなラストに痺れます。

ねぇ、縁って信じる?
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f0234728_16481163.jpg母の携帯が壊れ、買い換えることにした。
カメラもなくネットもできないシンプルな携帯だったが、数年も使ったのだから寿命だろう。

Docomoにはもう前のタイプの携帯は売っていなかった。代わりに折り畳み式を薦められたた。文字キーが大きく、ワンタッチボタンダイヤル。かけるところもかかってくる所も決まっているお年寄りに、ワンタッチボタンダイヤルは便利な機能だ。しかし洋服のボタンをはめるのにも苦労する指先に、まず携帯を開けることが難なくできるだろうか。
カメラは使わなければいいといっても、誤って操作してパニックにならないだろうか。
大体、高齢の母に、メールやカメラを使いこなす日がくるとは到底思えない。80歳を越えてパソコンを使いこなし、携帯も写メールまでできるお年寄りがいるが、そんな人はとても稀だ。
滅多にいないから話題に上るのだ。

携帯は日進月歩で進化している。私ももうついていけない。
携帯会社に物申したい。
一人暮らしのお年寄りにとって、携帯電話はライフラインだ。
携帯を進化させるだけでなく、お年寄り向き携帯をもっと用意してほしい。
見やすく操作しやすい携帯。カメラなど余分な機能は要らない。

ようやくauで通話専用の携帯を見つけた。
お年寄りに聞き取りにくい高音を聞こえやすいようにしてあるらしい。まだまだ文字ボタンが小さい気がするが、しょうがない。他にないのだから。

バリアフリーは駅のエレベーター設置だけでは片手落ちなのです。
「すごく久しぶりに会っても、好きな音楽の話であっという間に会わなかった時間が埋まる」
今日のSkoop On SomebodyのライブでのTAKEの言葉だ。
まさしくその通り。ライブ前に待ち合わせた友達。
久しぶりに会った彼女に、最近のお気に入りのCIMBAと三浦大知のCD(コピー)をプレゼントする。
タイトルを見た途端、「これ、私も大好きなの」
以前、Jay’ed やFull Of Harmonyを紹介したらすごく気に入ってくれた。
Skoopつながりの友達だが、他のアーティストの好みも合うようだ。
自然、話もはずむ。

ああ、それにしても今日のライブ。客席が熱くなかった。
トークも味がない。心に響かない。こんなの初めてだ。
一体どうしちゃったのだろう。コウヘイが抜けたせいだけなのだろうか。
輝きはもう戻らないのか?
それともそう感じているのは、私だけなのだろうか。
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あまり話したことがない人達との忘年会は緊張する。
料理への期待より、話の輪に入れるかの心配が大きい。
その日もそうだった。

そうそうたるメンバーの顔が、煙の向こうに見える。
こちらと向こうの間に横たわる囲炉裏。
しかしお酒の力は大きい。
普段見られない顔を知り、距離が縮まる。
せっかく縮まったのに、身元調査のような矢継ぎ早の質問で引いてしまう。
縮まったり遠のいたり、人との距離は煙のように揺れる。
彼女は家に帰ってから、その日獲得したデーターをXファイルに入力しているのだろうか。

忘年会の翌日は、顔を会わせるのが気恥ずかしい。
いつもと同じようで、流れる空気がちょっぴり違う。
映画鑑賞は時間とエネルギーがいる。

『パリ20区、僕たちのクラス』

睡眠不足の身に、この映画はまるで拷問のようだった。
平日にもかかわらずぎっしり詰まった観客。
私の座席の隣はおじさん。
上映が始まってほどなく、私の方にこっくりと倒れてくる。嫌だ。だけど頭をどけるわけにもいかない。

心臓がドックンドックンうつ。
油汗もでてきた。そのうちに激しい睡魔が襲ってくる。
睡魔と戦うべく手をつねったり、舌を噛んだり(!)した。
しかしそんな努力も限界だった。 
目が覚めたときには、話がつながらなかった。
長い長い時間がようやく終わったときは頭がガンガンしていた。

そもそもこんな映画がなぜフランスでヒットしたのだろう。まるでドキュメンタリーのようなつくり。問題提議。子供たちの迫真の演技。それは認める。
しかし起伏のない話、延々続く理屈ぽい台詞。共感できない登場人物。希望のないラスト。
ああ、やっぱりフランス人とはアイデンティティが違う(^_^;)
ハイハイ。ステレオタイプな見方です(汗)。
ともかくこんなに体に悪い映画は初めてだった。
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(C)Entre les Murs by Laurant Cantet. 2008. Production Haut et Court – France 2 Cinema.(C)Georgi Lazarevski

体力と時間のない方、映画選びはくれぐれも慎重に!
といっても見に行かないとわかんない・・・ですね。