<   2014年 01月 ( 4 )   > この月の画像一覧

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<『永遠の0』パンフレットより>

今、日本中を感動の渦に巻き込んでいる映画といえば『永遠の0』。
日本人の琴線に触れた『三丁目の夕日』のような、それ以上の感触がある。
三丁目は中高年中心に広がっていったが、『永遠の0』はどうだろうか。
1月3日、戦争、零戦と好みのテーマではなかったが、「見るべき映画」と思い、夫を誘い映画館へ。迫力の映像に優れた脚本。心揺さぶる素晴らしい映画だった。
早くも今年の日本アカデミー賞最有力候補?!
・・・・・
ラストにサザンの桑田の歌が流れる。
主演はジャニーズV6の岡田准一。上手い!若い世代を取り込む戦略。
それでいいのです。目論見もあたり、若い人の姿も見受けられる。
平和ボケしている日本、命の大切さ、尊さを逆説的に訴える。
エンドロールが終わっても、左隣の女性はなかなか席を立たなかった。
右隣の夫といえば後半、鼻を啜り上げる声。まさかと思えば
「久々に泣いた」と言うではないか。

感想を書きたいからblogを始めると言う。
驚くことにハンドルネームまで考えている。blog開設してほしいと私に言うが、そんな~。

こんなに素晴らしい映画なら原作を読んでみたいと思うじゃないですか。
娘に映画のことを言ったら「ああ、本を読んだよ。処分してってそちらに送ったでしょ。」
しまった!昨年、ブックオフにまとめて持っていった中にあったのか。
残念なことに娘の琴線には触れなかったらしいが、300万部を超えるベストセラーだというのに『永遠のゼロ』を知らなかった私も私だ。
図書館で○十人待ちするか、本を買うか、悩ましいところである。

郵便局は民営化になり、労働環境が厳しい。
つい先日も、営業を優先するあまり料金後納郵便がたまっているという記事が
新聞に載っていた。「配達より営業だ」の結果だ。

『山の郵便配達夫』は中国の映画である。
アジア映画に強い友人が貸してくれた。

年を老い郵便配達を引退する父の後を次ぐことになった息子。
父は息子を伴い、最後の郵便配達に出る。
二人で山を越え、三日がかりで配達する。
こういうふうに昔は手紙を運んでいたと思ったが
設定が1980年代だというから驚く。

これは郵便の原点ともいう映画である。

美しい緑の豊かな自然、初恋の女性との出会い
素朴な村人たち、一途に待つ妻、家族を守る夫、夫婦愛・・・
(子供はいつも一人っ子)
描かれる世界は『初恋のきた道』に共通する。
中国は表現に制限ある国なので親子の情を描いたり牧歌的なものが多くなると
聞いたことがある。
この映画には秘めたメッセージがあるのだろうか。

いつも配達で出かけていて滅多に家に帰らない父は
息子に厳しかった。息子にとって決して近い存在でなかったが
一緒に配達に行くことでようやく父の気持ちを理解でき、誇りに思える息子。
重い郵便を背負い、険しい山をロープをつたって登り、ズボンをめくって冷たい川を渡る。
郵便配達とはなんとつらい仕事だろうか。
上司でさえ、こんな辛い仕事を息子にやらせるのは酷じゃないかと言う。
しかし父は手紙を待っている人のために誰かがこの仕事をしなくてはいけないと。
ラジオでさえ仕事中だからと切らせる。
父の仕事に対して真摯さと使命感。
風で郵便が飛ばされそうになったら
足が痛むのも忘れ、取りに走る。
体をはった仕事に対する責任感は
一昨日のコンビナート事故で犠牲になった方々に
オーバーラップしてしまう。

息子はこれから配達の仕事を続けるだろうか。
孫を待つ目の悪いおばあさんに(孫からと偽った)嘘の手紙を読み続けるだろうか。
村の少女との恋はどうなるのだろうか。
かつて父が配達している途中で出会った母のように、息子も恋が成就するだろうか。


息子は郵便を背負い家を出る
いつまでも見送る父と母。
家に戻ってきたがUターンして息子を追いかける犬。
犬の名前は『次男坊』。
これからは、文字通り「兄」の道しるべになってくれるだろう。
子供が親から巣立つラストシーンだ。

叙情あふれる名作です!
絵の展覧会に行った。
知人の作品が出品されているからだ。
知人に自作の絵の前で解説してもらう。
抽象画を描く人の話を聞くのは初めてだ。

頭に浮かぶ"もやもやしたモノ"を具象化していく。
そこに多大なエネルギーがいり
産みの苦しみが伴う。
知人は言う。

文学もそうではないか。
頭に浮かぶ"もやもやしたモノ"をつかんで
引きずり下ろして
物語を書く

そこまで高尚な芸術でなくても
こういう文章もそうだ。

表現するということは
"もやもやしたモノ"を形にしていくこと。

だが、その前に
自分の中に、どれだけ"もやもやしたモノ"があるか、
そこが一番問題だ。

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<台湾・台中>
お節料理で一番難しいのは『黒豆』だと信じていた。
あらゆるといっていいほどの作り方を試みたが、一度たりとも満足な出来になったことがなかった。
毎年毎年、課題が残った。
「いつか艶やかでぷっくりした黒豆を作りたい。」

去年、ある人にたまたまそんな話をした。その人は友の会に50年以上在籍、料理教室で教え、自費出版であるが料理本も出す、自他ともに認める料理上手。
彼女は絶対うまくいくと土井勝の黒豆を教えてくれた。

その方法はかなり画期的な料理法だった。土井勝が家庭でもできるようにと10数年かけて編み出したレシピらしかった。
「水が煮立ったら砂糖、塩、しょうゆ、重曹、釘を入れ火を止める。
そこに黒豆を入れ一晩置く。差し水しながら煮て煮汁に漬け込む。」

レシピ通りに煮てみた。
嘘みたいに簡単にふっくら艶々の黒豆になった。
完璧だった。料理屋さんのお重に添えられているような黒豆だった。

だが、長い間の課題がなくなり気が抜けてしまった。

いや、まだあった!来年の課題。
来年は・・そう、金粉をふってみよう!