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私はすっかり島巡りの虜だ。
友達のお陰で鳥羽の離島行きが日帰り可能だとわかった。
それに今まで鳥羽に行くには特急と思い込んでいたが、急行でも充分だというのもわかった。

何でも形から入る私(笑)。ハイキング用品を揃えた。リュック、ショルダーポシェットにサングラス。『近鉄あみま倶楽部』にも入会。会費1,000円。大きな特典は乗車券2割引券10枚、特急券100円引き10枚。他にも近鉄グループや観光スポットのクーポン付。乗車割引券を使うと最寄駅から鳥羽まで1.000円ちょっとで行ける。この安さ、嬉しいじゃないですか。

明日はお天気がよさそうだ。答志島一人旅を決める。急行を乗継ぎ鳥羽で降り、鳥羽港に向かう。定期船乗り場で「答志島1枚」と言う。「答志島のどこですか。和具に、答志島に、桃取港がありますが」。答志島に三つも港があるなんて知らなかった。「どこでもいいです。一番早く出る船で」と和具にする。和具港は近い。鳥羽から15分。あやうく乗り過ごしそうだった。あわてたので財布の入ったポーチを座席に置き忘れそうになった。が、すぐ気付いたのでセーフだった。乗り過ごしたら大変なとこだった。一日数便しかないので電車のようなわけにはいかない。

鳥羽の観光案内所で答志島の観光マップをもらっておいてよかった。
和具港にはそれらしきものは何もなかった。
島の観光課、もうちょっと力入れて欲しい。が、こののんびりさがいいのかなと思い直す。

答志島は神島より広い。人口も多い。
和具港には活気が溢れている。港で働く若い人も多そうだ。
わかめを茹で上げる匂いがあたりに漂う。船のエンジンの音がなりひびく。漁に出た漁船が戻ってきたようだ。海沿いには海産物を加工する小屋が立ち並んでいる。

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<茹で上がったわかめ>



築影山遊歩道コースを歩く。遊歩道と言ってもなまやさしいものではない。かなりの急坂だ。
港の喧騒が嘘のように平日の山は静かだ。誰ひとり会わないのはこわいが、一人なのでマイペースで歩ける。遊歩道には史跡が点在し、登りきったところに見晴らし台がある。
島の見晴らし台の景色はどこも素晴らしい。雲一つない空、真っ青な海、船。
いろんな悩みも、ちまちまとしたものに思えてくる。頬をなぜる爽やかな風に汗がひいていく。天気を見て決める日帰り旅行の醍醐味だ。「曇り女」も日帰り旅行なら無縁。
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ランチは島に着いた早々、決めた寿司店。
迷わず海鮮丼をオーダー。鮪をのぞき地の魚ばかりという海鮮丼。なんと海老が生きていた。おかみが殻をとってくれて頭を塩焼きにしてくれる。こんな美味しい海鮮丼、今までも食べたことがない!酢飯の具合もほどよい。島で採れたというわかめのお澄ましは薄味で上品だった。

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ランチでエネルギー補給して今度は岩尾山遊歩道を歩く。
このコースには古墳が二箇所ある。

二つ遊歩道を巡り、答志港に行った。次の船まで2時間待ちである。
時間稼ぎに和具港まで今度は直線距離で戻る。ここは次の船まで1時間半待ち。
神島以上の急坂二つ登って足がパンパンである。もう歩きたくない。スマホいじったりして船を待つ。今度は文庫本か新聞を持って来なくっちゃ。

帰ってから三日間、ふくらはぎが痛かった。
でも、私はもう次に行く島はどこにしようかと考えている。

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<軒先の洗濯物>
友達の誘いで神島に行った。
鳥羽から定期船で1時間半余り。意外に近い。
11時半頃到着。船着き場で観光マップをもらう。
リュックを背負って空を見上げる。今日は暑くなりそうだ。着てきたババシャツ、ウールのTシャツが恨めしい。脱ぐに脱げない。ミスった。
このところウォーキング三昧している友達はさすがの装備。暑さ調節しやすいコットンのタンクトップ、Tシャツ、ブラウス。サングラスも勿論持参。足は登山用靴。リュックはスポーツ仕様。
ウォーキングのこつは、ランチをとるところを第一目標と定め歩くことと友達は言う。
桟橋近くの食堂に決めて、ランチ終了時間を確かめ歩き出す。

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神島は三島由紀夫の『潮騒』の舞台となった島だ。『潮騒』は何度も映画化されていて島には吉永小百合の当時の撮影写真が飾ってあった。路地の道は急坂で狭い。車も通れない。すれ違う人の肩が触れそうだ。軒先から生活がうかがえる。
ハイキングコースは山が多い。日頃の運動不足がたたって、友達についていくのがせいいっぱいだ。
ポイントポイントで休憩して水分補給する。
『神島灯台』の傍には「恋人たちの聖地プレート」が設置されていた。プレートに刻まれた名前はブライダルデザイナー「桂由美」。う~む。

『監的哨』は「その火を飛び越して来い」の有名な台詞の舞台になった場所だ。「あまちゃん」の中でもパロディー?台詞があったのも記憶に新しい。監的哨から伊良湖がすぐ近くに見える。手を振れば答えてくれそうな距離だ。それもそのはずほんの4キロしかない。
登り坂でここまで来るのは大変だったが、見下ろす景色の素晴らしいこと!快晴の空、真っ青な海、白い波しぶきをあげて走る船。気持ちいい。
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<神島から見た伊良湖岬>

降りて海岸線を歩く、石灰岩が風化してできた『カルスト地形』が見ごたえがある。
済州島の龍頭岩に負けていないゾ。
カルスト饅頭、カルストせんべいを売ってもよさそうなのに、ここにはお土産店一つない。
地元の人がごつごつした岩をつたって下りてのんびりとわかめを採っている。
波の音が聞こえる。
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お腹がすいてきた。f0234728_1554547.jpg
最初に目を付けた食堂でいただく。目当ての蛸飯はなかったので「しらす定食」をチョイス。
美味しい!食べきれないほどボリュームがある!島の伝統料理もついていて、これで900円は安い!
ゆっくり食べても帰りの船には時間があった。
三島由紀夫が執筆した「寺田さん宅」、墓地など見て回ってもまだまだある。
コーヒーでもと思って先ほど食べた食堂に戻ったら、もう閉まっていた。
土産店もない。コンビニもない。
仕方なく定期船乗り場の自動販売機でコーヒーを買う。
コーヒーを飲んだらもうやることがない。友達はもってきた新聞を読んでいる。
暇だ、眠い。ぼーっと1時間以上、船が来るのを待つ。
帰りの船の中でみんな爆睡した。
二日目は済州島観光ハイライトの世界遺産巡り。世界最長の溶岩洞窟に行く。鍾乳洞はあるが溶岩洞窟は初めて。往復するだけでも結構な距離だ。
出てくるとあれ、あやしかった空模様に晴れ間が出ている。雨の予報が外れるのは大歓迎!

城邑民俗村に向かう。ガイドさんは車内で「ここは人が住んでいるんですよ。住民があなたたちを案内してくれます。顔が不細工だけど、すごく面白いおばさんがいます。その人にあたるといいのですね」
バスが村に近づく。「あ、あなたたちはラッキーでしたね!今言ったおばさんですよ」
少々小太り、顔は確かに大きいが、愛嬌があり不細工と言うのは言い過ぎ。
おばさんは大きな声で私たちを村を案内する。

「済州島は鍵ない、泥棒ない、こじきない」島として有名。ガイドさんから何度も聞いたキャッチフレーズから始まる。達者な日本語、3分に一回笑わせるトークに半ば呆れ、半ば感心する。まだ住んでいる人がいるという家を指さして「済州島の男、働かない。女、みな逃げる。逃げたら戻ってこない。ここのお父さんもお嫁さんが6年前逃げて行ったきり戻ってこない。わたしも逃げる準備しています。」と笑わせる。

済州島は観光の島。住民の半分が観光業に携わっているという。他の職がないので離婚率は韓国一とガイドさんも言っていた。

「済州島の女はよく働く。遊ぶ男のかわりに家を支える。
昼は農作業、夜は馬の毛でかご作り。夏になれば海女さん。80歳の海女さんはまだまだ若い。93歳の海女さんもいる。
済州の女は男児が生まれるまで子供を産む。子供が6人、7人はざら。子供を一人生むとカルシウムはとられ、歯がガタガタになる。だけど済州の女は生んだ後のご褒美に馬の骨のスープを飲む、ここでは腰の曲がった年寄りはいない、こっそそそそそしょう(笑)の人もいない。」
と大いに笑わせる。

おばさんが最後に案内したのが小屋。
ベンチに座る。そこで始まったのが即売会です。見かけたことあるでしょう?会場に閉じ込めてお年寄りに健康布団やら健康食品を売りつけるアレに近いかんじ。
ツアーガイドさんの話、民俗村のおばさんの今までの話は、全てはこれにつながったのね。
なるほど。陳列台に並ぶは、馬の骨から作ったカルシウム、冬虫夏草、アガリクス・・、値段を聞いてびっくり。○万円!白血病で倒れた渡辺謙も妻と冬虫夏草?を買いに来ると言う。

おばさんの話が実に上手い!催眠商法とはこのことだと思った。高いのにもかかわらず手を挙げる人が続出。カードも受け付けると言う。健康食品を買えば五味子(オミジャ)茶のおまけもつくという。
友達はカルシウムを買いたそうだ。半分っこしないかと誘ってくる。馬の骨からとったカルシウムは他と比べ成分が優れているというし、一か月あたりにすると〇千円、高い「皇潤」とほとんど同じ成分というから、おばさんの言うように安いかもしれない。と思い始めること自体が催眠商法術にはまっている!
別に今、足が痛くないのに話を聞いて、急に骨粗鬆症が心配になってくる。おばさんは手をひろげてきれいな爪を見せる。虫歯ひとつないという歯も自慢する。つい買う気になるじゃないですか。が、しかし、しかし、待てよ。カルシウム一年分でこのツアー料金と殆ど同じだ。ここでカルシウムを買ったら、安いツアーで来た意味がなくなるではないか。すんでのことで思いとどまった。
結局、天然の五味子(オミジャ)茶一本購入した。4000円程度だった。
ヨーグルトにかけて食べたり、炭酸でわったりして飲んでいる。ここでしかないという触れ込みも今になれば怪しいものだが、美味しいし、かなり量があるので、おばさんのチップ込みでよしとしている。
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<城山日出峰(ソンサンイルチュルボン)>

おばさんの話術はエンタメとしても充分いけた。吉本に入って芸能活動でもすれば、人気が出ること間違いなし!おばさんは「民俗村の名物おばさん」としてYouTubeにあがっていた。クリックしたら90%くらい話が同じだった。「私もいつでも逃げる準備している」と言っていたが、おばさんの売り上げは、バスツアーにバックを払ったとしても相当な筈である。何人かいる民俗村のガイドの中で売り上げNo1に違いない。
”プロ村民”のおばさんがこんなうまい商売をやめて、島を逃げるはずはないと私は確信している。