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昨年度、愛知女性映画祭の出品作品『English Vinglish』。
この夏『マダム・イン・ニューヨーク』とお洒落なタイトルになって戻ってきた。
(個人的には『English Vinglish』の方が好きだが。)
インドの中流家庭の奥様シャシが、ニューヨークにいる親戚の結婚式に出席するために家族より一足早くアメリカへ。シャシは英語が苦手。そのため家庭でも夫や娘に軽く見られている。
カフェでうまく注文ができず、黒人の店員から小ばかにされるあたりは、こちらもわかるわかる。
誰でも異国の旅先で、多かれ少なかれそうい経験はあるのではないか。
私にもある。香港の某ホテル。念願のアフタヌーンティーセットを頼んでみたものの注文システムがよくわからず何度も聞き直す。アジア人のウェイターの口元に浮かんだ小ばかにした表情、見逃すことはできなかった。言葉の不自由な外国人に全ての人が親切だとは限らない。

壮大なロケや派手さはないけど、心情が丁寧に描かれている。
専業主婦シャシが異国でオドオドしながら4週間集中英語スクールの初級クラスへ。フレンドリーな先生、国も様々な個性豊かなクラスメートと学んでいくうちに英語が楽しくなってくる。
シャシは「国の名前にtheがつかないならどうしてアメリカはthe United Statesなのですか。」と質問する。先生は「Good question!」と言う。授業後、同級生から「先生、シャシの質問に驚いていたね。」と褒められ自信がついていく。先生に誉められると嬉しい気持ち、それもすごくわかる。
かつて私は韓国語を習っていた。授業で「「ようだ」を使った文を作りなさい」と先生に言われた。私は当てられて「おじいさんが亡くなって犬も泣いているようだ」と答えた。
すると先生は「びっくりしました。(文学的で)いい文です」と言う。その時の誇らしかった気持ち、褒められた文とともに今もはっきり覚えている。ああ、その時の感動を忘れず、勉強続けていたらよかったのだが・・・・。

シャシは英語にはまっていくにつれ、次第に家族のことがおろそかになるのも主婦にありがち。
バランス感覚がないので一旦夢中になると家事がおろそかになり、料理も手抜きになっていく。気づくと部屋もくちゃくちゃ。
でも彼女は偉い!主婦の鏡!自己嫌悪に陥って反省する。もと自分がいた場所「妻であり母であることに戻ろう」と気持ちを立て直す。
でもやはりどこかであきらめきれないシャシ。クラスメートの励ましもあって、せめてスピーチテストだけでも受けようとする。
姪の結婚式のためにシャシはお菓子ラドゥを準備する。ところが結婚式当日の朝、息子がラドゥを落としてしまう。うわぁあ!上手い話運び。先が読めなくなってそうきたかです。作り直そうとするシャシはスピーチテストを受けるのをとうとうあきらめる。
結婚式が始まる。驚いたことに英語クラスのクラスメートと先生もやってくる。シャシは姪に促されスピーチする羽目に。
夫は「妻は英語が苦手だから」と言いかける。が、彼女は夫の手を軽く押さえ立ち上がりスピーチをし始める。
・・・・・
ラドゥ作りの得意な妻への褒め言葉のつもりだろうが「妻はラドゥつくるために生まれてきたのさ」と夫に言われ傷つくシャシ。娘に「どうせママは英語読めないくせに」とあたられ、子供は親に尊厳をもつべきだと憤慨するシャシ・・・

実は私はこの映画は一度目は友人からもらったDVD(英語版)で見たのだが、シャシの感動的なスピーチに号泣してしまった。再生ストップし、わからない単語を辞書をひくのももどかしかったので、ざっくり理解にもかかわらずだ。
拙くても自分の言葉で話し始めるシャシ。対等な夫婦の関係、家族でも尊厳を守ること、家族の大切さを切々と訴えるスピーチに、今までの自分たちのシャシへの言動を思いおこしハッとする夫と娘。
クラスメートたちは立ち上がって拍手する。おしとやかなシャシもガッツポーズ!

妻として、母としての尊厳を取り戻したシャシ。
英語はきっかけだ。一歩踏み出して自信をもつ。そうすれば自分が変わる。
『マダム・イン・パリ』は主婦なら共感ポイントがたくさんある。
言葉を学ぶ人も教える人にとってもだ。
「異国で言葉が通じないとはどういうことか」も気づかせてくれる。

結婚式なら踊りも歌も自然だ。帰りの飛行機の中の夫婦で交わす視線がいい。
映画の中のインド女性はいつも貞淑だ。「よき妻であれ、よき母であれ」価値観が根強いようにみえる。イケメンお兄さんが出てきても決してよろめかない(笑)。
しかし最近はインド映画の中の女性も少しずつ変わってきているのかもしれないなと思った。

見に行った友達によると上映後、拍手が起きたそうだ。
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<映画.comより>
一風変わった映画だ。夏、阪急電車の沿線(宝塚~西宮北口)の駅で起きる物語。春(西宮北口~宝塚)はその後の物語だ。

いきなり婚約者の後輩を妊娠させた”だめんず”登場。おや、どこかで見た顔。
『花子とアン』のヒロイン花子の将来の夫となる「村岡印刷さん」が出ているじゃありませんか。今日の放送では肺結核の妻と離婚し、花子の気持ちを乱れさせている。
『阪急電車』では役柄のせいかハンサム度がかなり落ちている。
婚約者と後輩に裏切られた中谷美紀は二人を認める代わりに、条件を出す。それは結婚式の招待。着るはずだったウェディングドレスで出席。復讐のつもりが周りの視線にいたたまれず退席。惨めな気持ちで一人阪急電車に乗る。乗客のチラチラ視線。そこに乗り合わせたのが宮本信子と孫、芦田愛菜ちゃん。
戸田恵梨香と彼氏、他の登場人物。こうやって物語がまわっていく。
『あまちゃん』からは三人、夏ばっぱこと宮本信子、春子(小泉今日子)の若い頃を演じた有森架純、あきの最初で最後の映画『潮騒のメロディー』での相手役、寸前のところでキスシーンを回避できた前髪くね男こと勝地涼。
戸田恵梨香も出演しているのでこの映画共演がつきあうきっかけ?
『梅ちゃん先生』からは堀北真希の母さん役の南果歩。NHK朝ドラから多数出演。そして今やハリウッドスター、子役、芦田愛菜ちゃん。
誰が脚本かと思えばあの岡田惠和。
「彼女たちの時代」「夢のカルフォルニア」「ちゅらさん」。好みです。

岡田の脚本はただ甘いハートフルだけじゃない。
戸田恵梨香のDVな恋人。ちょっとしたことで切れる様は周りの空気を凍らせる。映画の中では友達の兄のお陰で別れられたが、現実にいたらあの手の男は間違いなくストーカーとなっている。おお、こわい。
電車の中で傍若無人な振る舞いをするオバチャンたち。周りの乗客は大迷惑だ。
大阪のオバチャンに厳しい目を向ける岡田恵和は東京出身。
そりゃあそうだろう。大阪出身ならこわくてあそこまで描けまい。
そのおばちゃんたちグループからハバにされるのが怖くて、高価なランチのお誘いを断れない大人しい主婦、南果歩。
いじめの世界は小学生も陰湿、誰にも言えずじっと耐えている女の子。
戦闘マニアで話が合わず、周りから浮いている学生。学食ではいつも「ぼっち」(っていうんですってね?今どきの学生は「ぼっち」になるのが怖くて大学入学早々LINEやらでつるむんですって)

一人になるのを恐れずに
勇気をもって一歩踏み出したら違う世界が見えてくる。
毅然とした態度をもって、、騒音公害を撒き散らすオバチャン達に「喝」の宮本信子が格好いいこと。

あまり期待していなかっただけに得した気分になった。
「袖振り合うも多生の縁」といういうことばがピッタリの映画である。
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<映画.comより>

っていうかこの映画、いつ上映していたの?