宿選びは旅のポイントでもある。
予算と照らし合わせながら選ぶ。迷うのも楽しみの一つだ。アジアの旨みはかなりのレベルのホテルも割安で泊まれるところだ。
今回はコロニアル形式の(フランス統治下の影響)ホテルと非常に立地のよいホテルの二つが候補になった。
少し前に同じホーチンミンを旅行した知人の「古いホテルは水回りが悪いのよ」の一言でコロニアル形式のホテルは却下となった。じゃあ、立地のよいホテルに決定かというとそうすんなりはいかなかった。ロビーやレストランを改装中ということがわかったからだ。工期がいつまでか知りたかった。改装中だと塗装の匂いや騒音が気になるからだ。
9月末まで、と10月中旬までかかるという情報があった。ホテルにメールで直接、尋ねた。「あなたがこちらに来られる頃には改装工事は終わっていますよ。是非、当ホテルにお泊り下さい」という返事がきた。
これ以上ない便利な場所は方向音痴の私には何よりだったので、迷いはなくなり、そこに決定した。
ホテルに着きました。期待を裏切りというか、ある意味予想通りというか改装工事は終わっていませんでした(笑)。
f0234728_21365822.jpg

<ホテルラウンジにて>
帰りの飛行機のチェックインカウンターで「通路側にお願いします」と頼んだ。
係りの人が「はい、通路側二席並びにお取りしましたよ」と言った。
飛行機に乗り込んだ。
通路側席には他の人のカバンが既に置いてあった。
はい、私たちの席はばっちり窓側並びの席でした。
もっとも帰国便は空いていたので、カバンの持ち主はほかの席に移ってくれた。
その席は横並び三席空席だったので結果的には双方によかったのだが。

ホテルの対応に、ベトナム航空の係員の対応。
調子よすぎですよね?
f0234728_21401282.jpg

<ベトナムの中の東京>
ベトナムで一番圧倒されたこと、それはバイクの大群だ。
信号無視、歩行者無視で群れをなして押し寄せてくる。
まるでイナゴの大群のよう、いやヒッチコックの鳥だろうか。恐怖さえ感じるバイクの群れだ。
f0234728_20485444.jpg

二人乗りは当たり前、三人乗りも珍しくはない。四人乗り見たときは驚いた。足元はサンダルだ。
弱気でいるといつまでも道路を渡れない。永遠に立ち尽くす羽目になる。
車が途切れたら、バイクが止まってくれることを信じてそろそろと渡る。決して走ってはいけない。決して立ち止まってはいけない。現地の人の後にピタリとついて同じ速度で渡る。バイクに向かって手をひらひらさせる。ぶつかりそうで心臓がキリキリする。同じようになかなか渡れず歩道に立ち尽くしていた隣の外国人と、思わず顔を見合わせた。
f0234728_20501580.jpg

ベトナムは今、雨季だ。突然激しい雨が降り出してもバイクの大群は消えない。日本ではもう見かけなくなった雨合羽を羽織って走る。ライダーの合羽を後ろの同乗者が頭から被っている。足だけが見える。
ベトナムでは老若男女バイクにまたがる。サドルにぶら下げた買い物袋から出ているストローでジュースを器用に飲みながら走るおばさん。ベトナムの日常だろう。
f0234728_20518100.jpg

皆さんはベトナム人にどういうイメージを持っていますか?
勤勉な民族でしょうか。
しかしステレオタイプな見方はいけない。
それは日本人が真面目で親切というのと同じだ。

今、ベトナムは空前の日本語ブームで沸き返っている。大挙して日本語を学びにやって来る。
だが彼らが希望を抱いてやって来た日本は物価が高い。ベトナムは人件費が安い。そのため日本や台湾、中国などの企業が虎視眈々と進出を狙う国である。

彼らの切実な問題は生活費だ。高い授業料を出してくれただろう親にこれ以上ねだれない。
生活費を稼ぐために必死にアルバイトする。
多くの学生は生活のために学校は出席率を稼ぎに来ているだけ、アルバイト疲れで寝ている。
その上、南国気質。のんびり、競争心がなく向上心も少ない。

彼らに日本語を教えるのは並大抵ではない。教科書は忘れる、ノートはとらない、私語。スマホいじり、居眠りは当たり前。宿題は友達のをうつす。あの手この手と授業に工夫をこらすのだが効果がない。
彼らをめぐる環境を考えると致し方ないのだろうが、頭が痛い。はたしてこれでいいのだろうか。このままだと中途半端な日本語さえも身につかない。
それにもかかわらず全く問題意識をもっていないような彼らを見るとじりじりする。

でも彼らにいいところがある。
飾らない素朴さに人懐っこい笑顔だ。
彼らのバックグラウンドを知りたい。ベトナムという国を知りたい。
秋休み、私はベトナムに飛びます!
ブログをずっと中断していたのはわけがある。
7月から生活が急変したからだ。

仕事を始めた。
その途端、キャパオーバーになりブログを書く余裕がなくなった。

慣れない仕事で毎晩、熟睡できず
失敗続きで落ち込み
人と比べては落ち込み
能力のなさに落ち込む

浅はかな私はここまで大変だとは想像しなかった。
賢い人なら受けなかっただろう

体力も精神も限界で
一か月もつかと思ったが
今のところは3ケ月近く続いている

週に二日勤務とはいえ
準備に四日かかる。
見合う収入ではない。
でも自分の勉強だと思ってやっている。
時間がいくらあっても足りないのに
取り掛かりが遅く
パソコンの前でうんうんうなって
結局、睡眠時間を削っている
頭を使うことは体に悪いことだ。

周りの人がそろそろ退職を考え始める年頃に
経験のない仕事を始めた。
無謀だ。
ただでさえ記憶力も体力もないのに

だけど・・・
絶対、無理だと思ったことをやっている。
いつの間にか最初のハードルを越えていた。

そう自分で自分を褒めて奮い立たせている。
秋休みまでもうすぐだ。あと少し頑張ろう!
昨年度、愛知女性映画祭の出品作品『English Vinglish』。
この夏『マダム・イン・ニューヨーク』とお洒落なタイトルになって戻ってきた。
(個人的には『English Vinglish』の方が好きだが。)
インドの中流家庭の奥様シャシが、ニューヨークにいる親戚の結婚式に出席するために家族より一足早くアメリカへ。シャシは英語が苦手。そのため家庭でも夫や娘に軽く見られている。
カフェでうまく注文ができず、黒人の店員から小ばかにされるあたりは、こちらもわかるわかる。
誰でも異国の旅先で、多かれ少なかれそうい経験はあるのではないか。
私にもある。香港の某ホテル。念願のアフタヌーンティーセットを頼んでみたものの注文システムがよくわからず何度も聞き直す。アジア人のウェイターの口元に浮かんだ小ばかにした表情、見逃すことはできなかった。言葉の不自由な外国人に全ての人が親切だとは限らない。

壮大なロケや派手さはないけど、心情が丁寧に描かれている。
専業主婦シャシが異国でオドオドしながら4週間集中英語スクールの初級クラスへ。フレンドリーな先生、国も様々な個性豊かなクラスメートと学んでいくうちに英語が楽しくなってくる。
シャシは「国の名前にtheがつかないならどうしてアメリカはthe United Statesなのですか。」と質問する。先生は「Good question!」と言う。授業後、同級生から「先生、シャシの質問に驚いていたね。」と褒められ自信がついていく。先生に誉められると嬉しい気持ち、それもすごくわかる。
かつて私は韓国語を習っていた。授業で「「ようだ」を使った文を作りなさい」と先生に言われた。私は当てられて「おじいさんが亡くなって犬も泣いているようだ」と答えた。
すると先生は「びっくりしました。(文学的で)いい文です」と言う。その時の誇らしかった気持ち、褒められた文とともに今もはっきり覚えている。ああ、その時の感動を忘れず、勉強続けていたらよかったのだが・・・・。

シャシは英語にはまっていくにつれ、次第に家族のことがおろそかになるのも主婦にありがち。
バランス感覚がないので一旦夢中になると家事がおろそかになり、料理も手抜きになっていく。気づくと部屋もくちゃくちゃ。
でも彼女は偉い!主婦の鏡!自己嫌悪に陥って反省する。もと自分がいた場所「妻であり母であることに戻ろう」と気持ちを立て直す。
でもやはりどこかであきらめきれないシャシ。クラスメートの励ましもあって、せめてスピーチテストだけでも受けようとする。
姪の結婚式のためにシャシはお菓子ラドゥを準備する。ところが結婚式当日の朝、息子がラドゥを落としてしまう。うわぁあ!上手い話運び。先が読めなくなってそうきたかです。作り直そうとするシャシはスピーチテストを受けるのをとうとうあきらめる。
結婚式が始まる。驚いたことに英語クラスのクラスメートと先生もやってくる。シャシは姪に促されスピーチする羽目に。
夫は「妻は英語が苦手だから」と言いかける。が、彼女は夫の手を軽く押さえ立ち上がりスピーチをし始める。
・・・・・
ラドゥ作りの得意な妻への褒め言葉のつもりだろうが「妻はラドゥつくるために生まれてきたのさ」と夫に言われ傷つくシャシ。娘に「どうせママは英語読めないくせに」とあたられ、子供は親に尊厳をもつべきだと憤慨するシャシ・・・

実は私はこの映画は一度目は友人からもらったDVD(英語版)で見たのだが、シャシの感動的なスピーチに号泣してしまった。再生ストップし、わからない単語を辞書をひくのももどかしかったので、ざっくり理解にもかかわらずだ。
拙くても自分の言葉で話し始めるシャシ。対等な夫婦の関係、家族でも尊厳を守ること、家族の大切さを切々と訴えるスピーチに、今までの自分たちのシャシへの言動を思いおこしハッとする夫と娘。
クラスメートたちは立ち上がって拍手する。おしとやかなシャシもガッツポーズ!

妻として、母としての尊厳を取り戻したシャシ。
英語はきっかけだ。一歩踏み出して自信をもつ。そうすれば自分が変わる。
『マダム・イン・パリ』は主婦なら共感ポイントがたくさんある。
言葉を学ぶ人も教える人にとってもだ。
「異国で言葉が通じないとはどういうことか」も気づかせてくれる。

結婚式なら踊りも歌も自然だ。帰りの飛行機の中の夫婦で交わす視線がいい。
映画の中のインド女性はいつも貞淑だ。「よき妻であれ、よき母であれ」価値観が根強いようにみえる。イケメンお兄さんが出てきても決してよろめかない(笑)。
しかし最近はインド映画の中の女性も少しずつ変わってきているのかもしれないなと思った。

見に行った友達によると上映後、拍手が起きたそうだ。
f0234728_957966.jpg

<映画.comより>