台湾の人がパスポートを失くしたと言う。
それからが大変だった。
前日の京都&奈良旅行に使ったバス会社に電話。
立ち寄ったサービスエリアにも連絡する。連休中で混雑していたのでスリにあったのだろうか。どちらにせよ、警察に至急、紛失届けを出さなくてはならない。パスポート再発行するには写真もいる。大阪へ行って再発行の手続きをせねば、付き添いは誰が・・・出発は二日後に迫っている。急がなくては時間がない。

その夜はホテルでのお別れパーティーだった。
円卓でないからか、パスポート事件のあったからか、盛り上がらない静かな食事。
そこに一本の電話がかかってきた。「はい、はい、わかりました。届けてくださるのですね」。
みんなの視線が電話に集まる。
バス会社が車内をもういっぺん、何十分もかけて探してくれて、座席のすきまに入り込んだパスポートを見つけたのだった。
宴の雰囲気は一変。拍手。乾杯。歓喜の渦。誰彼となく握手。
パスポートを失くした男性は喜びのあまり奥さんをハグまでする。
付き添いするはずだった者は大阪まで行かなくてすんだので安堵だ。よかったよかった。めでたしめでたし。まるで演出していたかのようなグッドタイミングな、バス会社からの電話だった(笑)。

ところが次に日、また彼はパスポート紛失事件を起こしたのだった。
あんなことがあったのに、リュックの外ポケットに無造作に入れておくなんてちょっと信じられない。学ばない人だ。
結局、またバスの車内に落としていたのだが・・・・
さすがにバス付き添いもカンカンに怒っていた。

ところで、私たちが不思議だったのは、同行の台湾の人達の態度だ。みんな、彼を責めるわけでもない。向こうのリーダーも、「まぁ、見つかったからよろしいでしょう」とのんびりしたものだ。
日本人がツアーでパスポート紛失事件を二度も起こしたら、例え責められなくても、針のむしろではないだろうか。お詫びにコーヒーやビールをおごると思う。
以前、ツアーに参加した友達からこういう話をきいた。ツアーには遅刻常習犯の人がいた。旅行の終わりがけに他の客が、その頃は親しくなっていたのもあって、半ば冗談、半ば本気で「遅刻で迷惑かけたのだから、皆にコーヒーくらいおごってよ」と言ったという。

台湾の人たちはお詫びを言ったからもうそこで完結。周りはねちねち恨みを持たない、失敗した人も卑屈に失敗をひきずらない、ということなのだろうか。もちろんコーヒーやビールのおごりはなかった。
「ひきずらない失点」はカルチャーの違いだろうか。
(なんか、それもいいかも)と思ったパスポート紛失事件だった。

お世話する私たちはとっても疲れたけど、でも「パスポートを紛失したらどうするか」の貴重な事例を経験できたので、まぁ、いいっかぁ、です。
f0234728_9214586.jpg

紅葉にはまだ早かったです。
台湾の人たちは昨日、セントレアから発っていった。

発つ前に大須商店街を案内した。安い値段に「台湾の友達が日本に行くと言ったら、絶対ここ(大須)を紹介するわ」と気に入ったようだった。スカーフに財布にと、彼らは上手な買い物をする。ドラッグストアを見つけるとまた中に入る。ドラッグストアがよっぽど好きなようだ。ハンドクリームを買い足した後、急に「ミンツー、ミンツー・・・・が欲しい」と言い出す。ミンツー=『明治』というのは、前回の『コラーゲン』でわかったが、次に続く・・・がわからない。紙に書いてもらった。こういう時、漢字の国の人は助かる!
字から推測すると「ミルクキャンディー」のようだった。ドラッグストアには置いてなかったので、業務用スーパーに行ってみる。あるにはあったが、ただ「”森永”のミルク“キャラメル”」だった。「『森永』だけど」というと「これでいい」と彼らは大袋をレジ籠に入れた。
f0234728_22142511.jpg

明治(?)のミルクキャンディーは台湾でとても人気があるらしい。台湾での明治のブランド力は大したものだ。
医薬品といい、お菓子といい、彼らが日本の商品に持つのは信頼感。『メイドインジャパン』に対する信頼はアジアではまだまだ健在のようだ。

しかし、折しも日本で吹き荒れる食品の偽装連鎖の嵐。
せっかく日本ブランドを信頼してくれている台湾の人たちに、私は恥ずかしい。



*セントレアのコンビニにも森永ミルクキャラメル(小袋)が置いてあったところをみると、『ミルクキャラメル』は明治ではなく森永製品ではないかと思うのだが・・・
パールアイランド(鳥羽)の真珠には見向きもしなかった台湾の人たちが、目の色を変えたのがドラッグストアでのお買い物だ。

台湾のゲストの一人が「『明治アミノコラーゲン』が欲しいので薬局に行きたい」と広告を印刷した紙を見せてきた。
希望者をドラッグストアに案内しようとしたらほぼ全員参加する。
コラーゲンだけでなくハンドクリームなど競って我も我もと「大人買い」。とても不思議な光景だ。台湾にはこの手の医薬品ないだろうか。
店の在庫を全部彼らが買い上げてしまったので、翌日、彼らが観光中に、違う店で追加分を購入した。店員さんに思わず「台湾にはこの手のものがないのでしょうか」と聞いたら「いや、彼ら(アジア人)は気にならないので(この手の商品がないので)しょう。」と言う。

さてさて、彼らがどんなものを買ったか興味がある。コラーゲン以外は馴染みのない商品名だ。
失礼ながら検証することにする。
・『サカムケア』:刷毛で塗る絆創膏
・『キップパイロール』:軽度のやけど、切傷
・『メディカルクリームG』:香りが消えるまで塗りこむ1分間のメディカルマッサージクリーム
・『明治コラーゲン』
f0234728_17493550.jpg

サカムケアはいかにも日本の得意とする分野の医薬品だ。絆創膏を貼ると水仕事がしにくい。いつもあかぎれで悩まされていた亡くなった母もこの手の商品を愛用していた。
メディカルクリーム、う~ん、確かに南国の人が手をマッサージする姿は思い浮かばない。
なぜ明治アミノコラーゲンが台湾で人気なのか、その謎は友達が解いてくれた。日本のCMに台湾の人気美人モデルが出演しているというのだ。
(YouTubeで確認した。http://www.youtube.com/watch?v=Aav3V3qE50g)
台湾で話題になっていて友人や知人にも頼まれたのだろうか?


台湾ではコラーゲンを売っていないのか聞いたら、売っているけど倍の値段すると言っていた。私も使っているかと聞かれたので「時々飲んでいる」と答えたら、ちょっと微妙な間があった(笑)。飲んだだけで美しくなるなら簡単なんだけどね。
三月に台湾へ行った際にお世話になった方々がみえました。
メンバーチェンジがありましたが、懐かしい顔です。
台湾御一行様10名(+韓国人2名)。
8ケ月ぶり見る彼らは全然変わっていません。
スーツケースとは別に、腰を抜かすほどの大荷物を携えています。もしかしてこれは私たちへのお土産なのでしょうか。

到着日の夜は持ち寄り料理歓迎会です。
日頃2人分しか作らないのでどれだけ作ったらいいのか見当がつかなかったのですが・・・
「品数で勝負」と頑張りましたよ。
f0234728_16482358.jpg

右上から時計回りに 大根なます(スモークサーモン入り)・湯むきプチトマトのマリネ・ナスのマリネ・鰻巻き・人参じゃがいもサヤインゲンの肉巻き・のし鶏(青のり・けしの実かけ)・蒸し鶏の紹興酒漬け・生春巻き・人参ときゅうりのサンドイッチ)


他のみんなも持ち寄った料理は座敷机にいっぱい並び、ゲストの人たちは大歓声!
パチパチ写真をとっていました。来日数回の人も「こんな料理初めて」と家庭料理に舌づつみ。喜んでいただいて作った甲斐があったというものです。
台湾の人からいただいた『XO干貝醤』二瓶はあっという間になくなった。あの美味しさが忘れられない。11月に日本にやって来る彼らに、お土産リクエストするにしてもとても待てそうになかった。

ところで『恋する輪廻』は、ディープな歓楽街の路地裏にある雑居ビルの一角で上映していた。昭和にタイムスリップしたようなその映画館では、座席が足りなくなると折り畳み椅子のほかに座布団(席)が用意される。そのマイナーさ、半端じゃない。
古びたビルには中国食品店も入っていた。陳列棚には食品に混ざり怪しい(?)中国ビデオや本も雑然と置かれて、まるで異空間に紛れ込んだようなお店だった。
もしかして『XO干貝醤』があるかもしれないと探したが、置いてなかった。

店には「これは一体なんだろう」手には取るが、買うのに少し勇気がいりそうな商品が多い。
青いラベルのガラス瓶が目に入った。f0234728_19375860.jpg『朝天小魚』と書かれてある。小鰯、豆鼓の油漬けのようだ。赤唐辛子の小口切れも入っている。中国人とおぼしき店員さんは「辛いですよ。」と言う。どれほど辛いのだろうか、激辛だろうか。
だが『XO干貝醤』に味が似ている気がしてならない。豆鼓がどんな味かわからないのが不安材料なのだが、一瓶500円足らず。高くはない。思いきって買ってみた。
家に帰っておっかなびっくりで蓋を開ける。
心配だった豆鼓は思ったほど癖がなかった。『XO干貝醤』にかなり近い味だ。『XO干貝醤』は少し甘目だったが、こちらは唐辛子のパンチがほどよく効いていていい。

f0234728_19565699.jpg
翌日、いい考えが浮かんだ。『XO干貝醤』に入っていた干し海老と貝柱を入れたらどうだろう。早速、買い求める。高価な貝柱は「割れ」貝柱をネットで見つけた。


11月まで待たなくてもよかった。海老や貝柱が入り、しこしこ食感が加わってより近い味となった。目指せ!『XO干貝醤』は大成功!
私って天才かも(笑)
f0234728_16591640.jpg

<台中のレストラン>
「おめでとう」(日本語で)と言ったら笑顔で返してくれました。
披露宴会場をのぞいたら、とってもカジュアルな雰囲気でした。

f0234728_1734837.jpg

<トイレ休憩したドライブイン>

f0234728_1765651.jpg

<九份>
台湾にも桜が!あと少しで黄金神社に着けたのに時間切れ。途中、引き返しました。残念。

f0234728_17118100.jpg

<士林夜市>
ここでもキティーちゃんが大人気!

f0234728_17124413.jpg

<士林官邸公園>
ペットの豚を連れてお散歩する女性。みんな振り返って見ていました(^'^)。

f0234728_1722345.jpg

<桃園国際空港CDショップ>
旅行中、時間があれば必ずのぞくCD&ブックショップ。店員さんのお勧めの『林俊傑』を買いました。
J-POPコーナーになぜかKARAや少女時代も。
台湾で大ヒットした映画(『タイタニック』に次いで台湾映画興行成績第二位)『海角七号』で流れていた中孝介、他に徳永英明、福山雅治、桑田圭祐、ユーミン。若手ではEXILE、いきものがかり、きゃりーぱみゅぱみゅ、そしてなぜかファンキーモンキーベイビーズなど。日本とほとんど時差がないですね。
数年前、台湾に行ったとき、淡水の海岸では安室奈美恵の曲が流れていました♪


個人旅行は自由に動けるが一つ一つ決めないといけない、グループ旅行は集合時間などは窮屈だが、スケジュールはお任せ。これは楽チンでした。
一緒に旅行した人たちは以前からよく知っていましたが、5日も一緒に行動していると自然、素が出てきます。意外な面もわかり面白かったです。旅行につきものの(!)夫婦げんかも仲間のお陰であまりしなかったです(笑)。皆さん、ハードなスケジュールなのに好奇心も胃もタフ!なのに感心しました。
そして計画を練って我々をお世話して下さった台湾の方々。きめ細やかなおもてなしに感謝です。持ちきれないくらいのお土産までいただいてしまいました。
言葉が通じなくても気持ちは通じます。空港のゲートに入るまでずっと手を振ってくれ胸が熱くなりました。
さあ、今度は私たちがおもてなしする番です。
あまりお金を使わず(身の丈に合ったおもてなしという意味)、心を配り頭を使います。喜んでいただくにはどうしたらいいのか、第一回作戦会議をしました(^_-)-☆。
「いいから入りなさい」「疲れがとれますよ」と私たちに何度もスパ(温泉)に誘うTさん。
三日目は礁渓温泉に宿泊だ。宿は老朽化した(?)ひなびた温泉ホテルだ。
ホテル屋上にスパ(温泉)があるという。但し、スパに入るには水着、水泳帽を着用しなくてはいけないらしい。

台湾の温泉と言えば想い出がある。
数年前、始めて台湾に行ったときのこと。
台北から地下鉄に乗って北投温泉に行った。駅を降りしばらく歩いてもお目当ての露天温泉浴池がない。前を歩く男女二人も温泉浴地を探している様子。なら一緒に探しましょうと連れだって行った。この二人が香港から来たご夫婦だった。
露天温泉浴池の中を見ることはできたが、営業時間外だったので入ることができなかった。温泉は塀で囲んであり、階段状になっていた。北投の町の通りの道の両脇には日本風の名前がついたホテルがつらなっていた。ホテルの中は見ていないのでわからないのだが、少なくとも露天温泉浴池はすごく入りたいと思うようなものではなかった。

そんなわけでTさんに強く勧められてもさほど心が動かなかった。水着がないと言うと、Tさんはフロントで売っていると言う。家にあるのに勿体ない。しかし、たまたま水着を持ってきた夫は入る気満々でいる。「体験料と思ったらいい」と私に言う。水着はセール価格で2,000円程度だった。日本で着れるデザインでもないので高いか安いか微妙な価格だ。だが台湾の温泉に入る機会はそうないだろうと思い、買うことにした。それにTさんは「昔は北投温泉が一番有名でしたが、最近は水枯れでね、今はこちらが台湾一なんですよ」とまで言う。

エレベーターで最上階で降り、階段を上がる。
更衣室がない!仕方がないのでトイレで、買ったばかりの水着に着替える。洞窟を模した壁。スパにはTさん一人しかいなかった。ホテルの人もいない。Tさんは浴槽につかって気持ちよさそうにジェットバスを使っていた。
f0234728_16372484.jpg

隣のプールには浮き袋らしきものが置いてある。夏なら家族連れでにぎわうのであろうが、人がいない今はうらびれ感がする。スポーツクラブやビジネスホテルのお風呂の方がマシだ。
最近のスポーツクラブやビジネスホテルのお風呂には露天風呂もついている。更衣室も完備している。
しかしTさんがしきりに「いいお湯でしょう」と言うので「・・・ええ」とちょっと口ごもって答える。温泉は炭酸泉のようだ。匂いはないがぬめりはある。私も真似してジェットバスを使うが、一つは故障していた。
湯だってきた。湯船から出て窓際に行く。ガラスがはめていないので空気が気持ちいい。見下ろすと温泉ホテルのネオンが光っている。
f0234728_16375971.jpg

<温泉街>

ここが台湾一の温泉?!
ならば日本の温泉はやっぱり世界一。Tさんたちには日本の温泉に是非入ってもらいたい。
Tさんは「ゆっくりしなさい。」と言いスパを出て行った。
夜11時。スパはもうすぐ閉まる。今からはもう誰も入ってこないだろう。今度はサウナ室で着替えた。

*翌朝早くスパに行ってみた。鍵はかけてなかったが水は抜いてあった。写真はその時のもの。
国父記念館にギャラリーがあった。
たまたま開催されていた『陳正雄 木彫刻展』に入った。
僧や観音像もあったが、市井の人の彫刻が見ごたえがあった。何と言っても表情が実によい。ほっこりあたたかい気持ちにさせる。
f0234728_23124560.jpg

<2012 木彫芸術創作 陳正雄 木彫創作集カタログより>
友達夫婦はこの木彫の前で同じポーズをとり、Tさんに写真をとってもらっていた。

Tさんは83歳である。今回、私たちは彼にどれほどお世話になったことだろう。一生懸命、手持ちの日本語で説明しようとしてくれて「親切」とは彼のためにあるような言葉だった。いつも朗らかなTさんはムードメーカーでもあった。Tさんは昨年、奥様を亡くされている。だが、悲しみにくれず毎日、明るく楽しく過ごすことが奥さまへの一番の供養だと言ってみえた。

Tさんはこの秋、日本にみえる。彼に再び会えるのを私たちは心から楽しみにしている。
台湾には屋台がたくさん出ている。
屋台をぶらぶらひやかすのも旅の醍醐味。
「安いよ、安いよ」「美味しいよ」と通り過ぎる人を呼びとめる。

花生糖加冰淇淋(アイスクリームとピーナッツヌガーをくるんだクレープ)、タピオカ入り緑豆豆乳、釈迦頭(フルーツ)、豆花(豆乳プリン)・・・・
日本ではお目にかからない珍しいものを見つけ、ちょっとでも立ち止まったら、さぁ!大変!
台湾の人がいつの間にか私たちに買ってくれる。
ありがたいやら申し訳ないやら。
だから・・
屋台では「足を止めてはいけない」のです。

f0234728_15403876.jpg

<釈迦頭>
*釈迦の頭のような形から名付けられた。まったりした濃厚な味
カラオケが嫌い。
換気の悪い空間が嫌い。
下手な歌を人に聞かせるのが嫌い。
素人の歌を聞くのが嫌い。
聞いている振りして次に何を歌うか考えるのが嫌い。
だが、会社勤めの時はそう言ってはおられなかった。
毎年、忘年会シーズンになると気が重かった。
f0234728_1848352.jpg
ところで台湾旅行。
貸切バスにはカラオケが備えてあった。
こちらは中国語が話せない。向こうは一人を除き日本語が話せない。
その溝を埋めるのがカラオケだった。

バスの中は期せずしてカラオケ大会となった。
台湾グループの歌の上手いこと!
のびやかな声で軽快に、しっとりと聞かせる。
日本語は話せないのになぜか日本語の歌も上手だ。ひらがな歌詞が台湾的!
つられて日本人グループも歌う。振り向くとカラオケ苦手な友達だ。「歌うっきゃないでしょ」と彼女。
そう、そう。国際交流に沈黙は禁物。こぶしのきいたど演歌が台湾グループに大受けだ。
高い音は出ない、テンポの早いのもダメ。私でも歌える歌はと分厚い曲目リストから必死で探す。

もしかしたら私、一生分歌ったかも。
歌うって悪くない。
ボイストレーニング行こうかな。冗談だけど、半分本気。
f0234728_18513556.jpg

<台中・ガラス博物館>