●『息もできない』は衝撃作?問題作?名作?

韓国映画は、心の中に巣食う醜いものに蓋をせず、容赦なく引きずり出す。
エネルギーがいるので、できれば韓国映画は見たくない。
韓国映画をマニアックに好きな人は、マゾか性格がいびつじゃないかと疑ってしまう。

息もできない』は、韓国映画をいくつか見た者なら既視感あるモチーフばかりだ。
つっぱった女子高生と社会からはみ出たやさぐれた男。
最悪の出会い。反発しながらもいつか心通わせる。
劣悪な家庭環境。貧しさ。子供の足を引っ張る親。
切れないしがらみ。
交通事故。
ハッピーエンドにさせない因縁。

暴力シーンは嫌いだ。やくざ映画は見ない。血のシーンはいつも早送りする。
なのに暴力シーンだらけのこの映画から目をそらすことができなかった。なぜだろう?
暴力をふるう主人公が、ふと見せる不器用な優しさのせいだろうか。
暴力が、行き場のない傷ついた魂の叫びのようにみえるからだろうか。

韓国映画のラストは日本と全然違う。
普通、ここで余韻をもって終わるだろうと思うところで終わらない。これでもか、これでもかと物語をつなげていく。そのしつこさ、日本人はかなわない。
いつまでもストーリーが続くので、暗さと悲劇性が薄れる。しつこさが「救い」になる。韓国映画の持ち味の一つだ。
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『ペパーミントキャンデー』『オアシス』『シルミド』『トンマッコル』『ケムル』『母なる証明』etc・・・
エグくてグロくてハードで二度は見たくない映画ばかりだ。だけど、どれもマグマがうごめいている。好きじゃないのに、次は何をえぐり出すのか気になるのが韓国映画だ。
by feliza0930 | 2011-01-17 21:19 | ・MOVIE