●glee③

お気楽ドラマだと思っていた『glee』。しかしそれだけではなかった。f0234728_1937842.jpg
アメドラ、それも青春ドラマに心を動かされてしまうなんて思ってもいなかった。
良質のドラマには、もはや国は見えない。見えてくるのは普遍的な人間の姿だ。

gleeクラブには車椅子のアーティがいる。地方大会に行くには車椅子対応のバスを借りなければならない。顧問のウィルはバザーで資金を作ろうと提案するが、生徒たちは忙しいと気乗り薄だ。仲間なら力を合わせるべきと考えるウィルは彼らの反応にガッカリする。アーティに、他の生徒は「悪気はないよ」と謝るが、彼は傷つく。f0234728_1939593.jpg
ウィルは一週間、毎日三時間、車椅子生活をするように命じる。彼らは車椅子に乗って初めてアーティの気持ちがわかる。
結局、バザーの売り上げで、バスを借りられることになった。しかしアーティは父親に会場に送ってもらうから、売り上げで他の車椅子生徒のために講堂にスロープを作ってほしいと言う。

地方大会の出場ナンバーはメンバー全員での車椅子ダンスと歌だ。ドラマの振り付け師は天才だ。車椅子がまるで魔法にかかったように軽やかに動き踊る。
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アーティはティナと仲良くなる。いい雰囲気になったところで、ティナは実は自分は吃音障害でないと告白する。吃音のふりをして自分を守り、他人に壁を作ってきたと。だけどgleeで仲間ができたから、これから振りはやめると言う。アーティは「自分は他人から壁を作られたことはあっても、壁を作ったことはない。君は僕と違う。車椅子は振りではない。車椅子(生活)はやめることができない」
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スロープはgleeクラブと敵対するチアクラブの顧問スーが既に寄付していた。超人ハルクのようなスーは周りからおそれられている。
彼女はチアクラブに、障害ある生徒を体験入部させていた。
容赦ない指導に、ウィルは「いじめだ」と非難する。しかしスーは加減することこそ差別だと言い返す。彼女には実は知的障害者の姉がいた。
スーには施設にいる姉を訪れては絵本を読む別の顔があった。
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gleeにはゲイのカートがいる。
高音が出る彼はヒロイン(歌姫)のオーディションを受けることにする。
ところがカートの自宅に「おまえの息子は女だ」といたずら電話がかかる。
ゲイであることは恥ではない。オーディションも勝つ自信がある。しかし、女性パートを歌う自分を見て町の人は父に何というだろう。傷つく父を見たくないからとオーディションでわざと音を外す。

障害、同性愛、差別、親子の愛、一つ一つのエピソードが音楽をベースに折り重なっていく。これだけが一話の中に入っているのに散漫になっていない。脚本がよくできているからだろう。
メッセージは押しつけがましくなく、答えがないこれらのエピソードに考えさせられる。

NHKBSでの放送ももうすぐです。
by feliza0930 | 2011-02-24 20:16 | ・DRAMA