●ケイシーは残った!~アメリカンアイドル10

アメリカンアイドル シーズン10の戦いが白熱してきた。

トップ24
人間的に応援したくても、スター性や実力を考えて審査結果を一人一人に告げなくてはいけない。その重圧に耐えかねて審査員であるジェニファー・ロペスは「もうできない」と泣き出し、一時中断する。とにかく全米10万人以上の応募者から24人が選ばれた。

トップ13
ここからがアメリカンアイドル本領発揮。選ぶのは審査員<<視聴者だ。
ネットや電話投票で男子5名、女子5名が選ばれる。審査員特別枠で+3名でトップ13

トップ10
夏の全米ツアーに行けるのはトップ10だ。全米40数カ所を回る。CDも出るので実質的なメジャーデビューだ。候補者はまずはトップ10に入ることを目標とする。
トップ13から私たちは毎週、一人ずつ落ちる過酷な戦いを固唾を飲んで見ることになる。
日本とアメリカ放送の時差は数日。ネタバレ見たいのを必死で我慢。予選の時は?の人がいたが、さすがにここまでくると歌が上手い。毎回、No1が変わるので一体、誰が優勝するか予想がつかない。

観客とステージが一体になった瞬間はこちらまで伝わってくる。先日は審査員の一人であるスティーブン・タイラーが何とステージまでかけ上りハグ。もう一人の審査員も言う。「どこか悪いとこあったか?」「No!ゼロだ。パーフェクトだ!」アメリカ人は褒め方もでっかい。

挑戦者達の間には不思議な連帯感が生まれているようだ。彼らはライバルであり、熾烈な戦いを戦い抜いてきた戦友だ。司会者から2~3名ずつ名前を呼ばれステージに登場し、投票結果を待つ。手はお互いに握りしめたり、肩を抱いたりしている。司会者はトリッキーな言い方をするので、名前を呼んだ方がセーフなのか、アウトなのか。語尾まで聞かないとわかならい。

投票獲得数下位(ボトム)3名の名前が告げられる。果たして最下位は誰か?
最下位者はもう一度歌う権利が与えられている。
ここで審査員三人が全員OKを出せば脱落がまぬがれる。

今までに11人まで絞られてきた。ツアーに出られるのは10人。ここで残れるか脱落するかは天と地ほどの差。そう、オリンピックの4位と、メダルをもらえる3位と同じ。人々の記憶に残るはメダル。
最下位はケイシーという20歳の青年だった。(予選時は19歳)
子供たちにキャンプで映像を教えている。髭もじゃの容貌、落ち着いた物腰、受け答えどこをとっても絶対、20歳には見えない。
今回の審査員は個性を尊ぶのか、今までにないタイプの候補者揃い。ベースを奏でて歌う姿はアイドルというよりミュージッシャン。ブルーノートが似合う雰囲気。
その彼が最下位。意外な結果に会場のブーイング。毎回、彼のパフォーマンスを絶賛していた審査員も唖然とした様子。ケイシーのいつもの落ち着き払った態度はどこへやら、手は震え、顔面蒼白だ。しかし、気を取り直し、審査員の前で歌う。ところがものの3分もしないうちに審査員が手を振り、歌をさえぎる。何事が起きたかと会場は騒然とする。ケイシーは呆然と立ちつくす。

審査員は「もうこれ以上、聞く必要はない。」「君の実力は私たちがよく知っている。君を救済する」と。歌がまずいので中断されたとばかり思いこんでいたケイシーは、喜びのあまりステージに座り込む。そして会場にいる両親の顔を見つけ飛んでいく。ステージにいる残りの10人も拍手喝采。次々と彼にハグする。司会者が今年のツアーはこの11人でいくと発表すると、会場は興奮の渦に! しかしながら司会者は今週、落ちる人がいなかった代わりに、来週は2人落ちると付け加えるのを忘れない。それがアメリカンアイドルの掟

前代未聞の、ツアーに行くトップ11が誕生した!
アメリカンアイドルの歴史に残る瞬間だった。

年齢にそぐわない落ち着きと容貌。セクシーな歌い方。だがケイシーはやっぱり20歳の青年だった。トップ10脱落を告げられ、あそこまで震えて取り乱していた人はいなかった。そしてセーフを告げられた時の喜びよう。幼い子供のように両親の胸に飛び込む様。目いっぱいに大人をがんばっていたんだ。私は妙にほっとした。
アメリカンアイドルは進行形で次々とドラマを生み出している。
by feliza0930 | 2011-04-08 22:32 | ・MUSIC