●悟っていたステファノ~アメリカンアイドル10

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ステファノは数年前、交通事故に会い九死に一生を得た。救急車に運ばれ気づいたら病院だった。生きているのも不思議なくらい大事故だった。今も痛ましい傷跡が腕に鋭く残る。

大好きな音楽もできなかった日々。しかしいつか自分の夢をかなえる。そう、アメリカンアイドルに出てスターになる!そのためリハビリに励んだ。

ステファノの声はのびやかでまっすぐだ。
しかしつい独りよがりの熱唱をしてしまう。
ジェニファーは彼にアドバイスをする
「観客と一体にならなくては。目をつぶって歌ってはダメ」
プロデューサーのジミーは言う。
「イケメンなんだから、自分に自信を持ってもっと堂々とせよ。観客にこびるな」。
二人のアドバイスは抽象的で難しい。

個性派そろいのシーズン10挑戦者たちの中でステファノの陰は薄い。ボトム3に何度も入った。

ステファノはもう達観しているようだ。
何度も脱落の憂き目にあった。ここまできたら上出来だと思っていたのか。審査の結果を待つ彼の目にはもはやオドオドしたおびえはなかった。

ステファノは落ちた。しかし彼の笑顔はひきつっていない。重圧から解放された喜びの方が大きいのか。司会者に今の気持ちを聞かれると「歌いたくてうずうずしているんだ。早く歌わせてくれ」。
私はもう一度『If You Don't Know Me By Now』を聞きたかった。
ステファノは歌唱力はあるのだが、心に響くときとそうでない時がある。
しかしこれは文句なしにステファノのNo1だった。私にはオリジナルよりはるかにいいように思えた。TOP12放送後、何度リピートして聞いたことだろう。「今日、最高のパフォーマンスだ!」と、まだ他のコンテスタントが歌い終わらないうちに審査員が叫んだ。
http://www.youtube.com/watch?v=4t4BJmp1CKw

しかし彼が歌いだしたのは違う歌だった。
ステファノが歌い終わらないうちにジェイムズが飛び出した。小柄な彼を後ろから抱き上げた彼はずっと泣いていた。同じ挑戦者であった二人に友情を越えた絆があったのだろう。

こうしてまた一人、ステージから去っていった。
by feliza0930 | 2011-05-08 22:02 | ・MUSIC