●『3ナイ+1ナイ』の山下達郎

「ここ一年くらい、忙しくって芝居見てない、映画見てない、本読んでない。で、しゃべることがなくて困る」と言いながらしゃべるしゃべる。達郎がこんなに饒舌だとは思わなかった。
風貌からして草食系かと思っていたらトンデモない、バリバリ攻撃的、肉食系。

山下達郎はしっかりファンに念を押す。
「まだコンサートが終わっていないところもあるのだからネタバレはしないように」。
六年ぶりのアルバム、三年ぶりのコンサートツアー。
達郎に会うのを楽しみにしているファンが全国にたくさんいる。苦労してもチケットが取れない人もいるのにまたしても良席運は続く。端だが全体を見渡せるかなり前の席。毒舌MCを書きたくてうずうずしているが、ネタバレ禁止令が出ているので仕方がない。ツアー終了まで(5月!!)我慢、我慢。これが「ネタバレは書かナイ」のファンへの1ナイ。

そして3ナイは達郎が自身に課す鉄則だ。
「本を書かナイ」「テレビに出ナイ」「アリーナ公演をしナイ」。前の二つはともかく、三つ目。アリーナ公演をすれば動員できる自信があってこそ言える強気の言葉だ。以前、武道館でコンサートをした時、客との間に距離を感じたらしい。
達郎はアリーナ公演に背を向ける。『アーティスト』と呼ばれるのも嫌がる。
達郎ファンは40代から50代の男性がとても多い。組織社会に生きる企業戦士のお父さん方が達郎グッズを求め並んでいる。男性ファンは自分の意志をあくまで貫く達郎に憧れがあるのだろうか。

野田秀樹の舞台照明を手がけている人によるアートなステージで、ギターはガンガン演奏する、しゃべりまくる、毒舌を吐く、最後はマイクなしで歌う。昔と同じキーで歌えるのが自慢と言うだけあって達郎の声は伸びがあって素晴らしい声量だ。イメージと違って(失礼)意外にしまった体。喉と体は自己節制とたゆまぬ努力の賜物であろう。3時間半!来年、還暦とは思えないエネルギッシュなステージにすっかり圧倒された。
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by feliza0930 | 2012-02-09 20:12 | ・MUSIC