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●『最強のふたり』

「二人の絆は今も強い」
エンドロールに文字が流れた。
画面に映し出される車椅子に乗る男性と後ろに立つ男性。映画で何度も見たショットだが、後ろに立つ男性が黒人ではない。「これは実話を基にした話です」

「あ!この映画、実話だったんだ」
驚きでちょっとクラクラした。
●『最強のふたり』_f0234728_940074.jpg

昨年度、フランスで興行成績が一番だった映画である。
新聞や雑誌でも前評判が高かった。

レディースディーでもない平日の昼間にも関わらず混んでいる。公開からまだ5日目なのに早々とパンフレットは売り切れ。どうやら元気になれる映画らしい・・・と口コミもあるのだろうか、上映を待つ老若男女の人々の顔からはそんな期待が窺えた。

半身不随の男と介護する男の物語と言えば、地味な映画をイメージするかもしれないが、いわゆる正統派ヒューマンものではなかった。
荒唐無稽な痛快ストーリー。(だから私は実話ベースと知って驚いたわけだ)
半身不随の男フィリップが億万長者だから、自家用ジェット機、パラグライダー、サロンに楽団を呼んで誕生日コンサート、高価な美術品がゴロゴロしているロココ調の部屋。
派手な演出が見ている者を暗くさせない。

スラム街に住むお調子者、失業保険目当てのドリスには介護経験はない。
でも怖いもの知らずで介護は手荒。寝たきりフィリップに同情しない。
だがフィリップは、手荒だけど優しい心が感じられるドリスといるのが心地よい。
サシで向かいあう二人にいつの間にか固い信頼が・・・。だが家族のことで悩むドリスに、フィリップは告げる。
「君もわかっているだろう。介護は君の一生の仕事ではないこと。もう失業保険ももらえるだろう。さあ、行きたまえ」。
そして・・・

時折、いい加減男ドリスが目を翳らせる。詳しい描写説明はないのだが、それがただのハチャメチャ映画にさせていない。

クラシック楽団員と踊り出す『アース・ ウィンド&ファイアー』はお気に入りシーン。音楽もサイコー♪
『最強のふたり』、サイキョー映画です!お勧めです。

さあ、次は、やっと名古屋公開が決まった『Win Win』。こちらは「ダメ男とダメ少年の最高の日々」。あら、『最強のふたり』になんか似てますね(笑)。
by feliza0930 | 2012-09-06 09:48 | ・MOVIE