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●ジュリ扇の『葉加瀬太郎』

コンサートが始まってすぐにグッズの販売促進だ。
「後半、例の曲で使いますよ。これを持っているのと持っていないのではノリが全然違います。買うなら休憩時間ですよ!」とテレビショッピングのように葉加瀬が掲げたのは目が覚めるようなショッキングピンク、黄色、スカイブルー・・とカラフルな羽根でできた扇子。バブル時代、ジュリアナ東京のお立ち台。超ミニスカートのイケイケ女子が手にして踊り狂っていた扇子みたいだ。
この扇子をどう使うのやら、このコンサート、何だか普通と違うぞ。
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コンサートが始まる前から不思議雰囲気の予兆はあった。「こんにちは、こんにちは、世界の国から♪1970年のこんにちは」そうです!三波春夫大先生による『世界の国からこんにちは』が会場を流れていたのだった。

幕が開く。派手な照明に葉加瀬太郎が登場。幅広の身体に幅広パンツ。トレードマークのもじゃもじゃ頭。存在感ありすぎる。
トップ二曲は外国人が日本をイメージしたらこんなんできましたみたいな曲と思ったら・・・観光庁要請で作ったという説明だった。予想どんぴしゃりだった。
葉加瀬太郎の最新アルバム『JAPONISM』どころか一枚もCDを持っていない。だから真っ白なイメージで楽しめた。
葉加瀬は客席にむかって自作曲を「いい曲でしょう?」と何度も言う。日本人には珍しい(?)自己肯定型ミュージッシャンか。そして葉加瀬は誉め上手でもあった。客席からバイオリン未経験者を一人募ってステージに立たせる。日本人気質も変わったのだろうか。私なんか絶対手を挙げないが、何人も我も我もと手を挙げてその積極性に驚いた。前に座っていた若い女性が選ばれた。
姿勢とバイオリンの持ち方から始まって一番簡単な二音の弾き方を教える。左手で弦を押さえず、弓を上に動かし下に動かして弾く。「背中を丸めていると音もちぢこまりますよ」と言われ背筋をしゃんと伸ばし、足を肩幅に開いて立つ女性。あら不思議、ギコギコおどおどしていた音が澄んだきれいな音になってきた。女性の規則的な繰り返し音を伴奏に、葉加瀬とバンドはメロディーをのせる。奥行きと広がりのある美しい曲になった。見事な葉加瀬マジックを目の当たりにして、客席は「おお」とどよめきが歓声となり拍手がわく。
もし葉加瀬がバイオリンの先生だったら、褒めて育てて子供たちはきっと音楽好きになるに違いない。
子供に音楽のお稽古をさせるのは大変だ。好きにさせるより嫌いにさせる方がどれだけ簡単なことなのか。

マスコミによく出ているだけあって、葉加瀬は口が滑らかだ。MCによどみない。
芸大時代に結成した『クライズラ-&カンパニー』頃からの長い付き合いのあるメンバーも何人もいて、気心がしれているのが窺われた。
イメージと違い(?)どうやらバッグバンドとの人間関係は良好のようだった。
さて、休憩時。私もジュリアナ扇を500円くらいなら買おうかと一応、思ったのだが、2,000円!盛り上がり小道具にしては値段が張り過ぎだった。

二部、葉加瀬は真っ赤なロングジャケットを身に着け登場。
例の曲、そう、葉加瀬太郎と言えば『情熱大陸』。派手派手ジュリアナ扇で踊り狂うステージの葉加瀬と会場のみんな。会場は巨大ディスコに早変わり!扇子をもっていない者もスタンディングだ。これがバイオリンコンサート?!だが、驚くのはまだ早い、葉加瀬はバイオリンを置いて歌ったり、はてはEXILEもどきダンス(Chu Chu Trainの縦一列に並んでぐるぐる旋回するダンス)ありで会場大興奮。葉加瀬は結構、身軽にダンスステップする。
最後は『Smile for you』東北復興を願う静かな曲でしめくくり、キラキラ劇場型コンサートが終わった。


葉加瀬太郎、これならイギリス、ドイツ、アメリカ、台湾など世界ツアーの成功間違いなしだ。
by feliza0930 | 2013-09-20 20:48 | ・MUSIC