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●妄想癖サラリーマンを駆り立てたもの~『LIFE!』

『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のお口直しはヒューマン映画。
そう思い『LIFE!』を見た。
雑誌『LIFE』の写真管理部で働くウォルター・ミティ(ベン・スティラー)は、思いを寄せる女性と会話もできない臆病者。唯一の特技は妄想することだった。
ある日、「LIFE」表紙に使用する写真のネガが見当たらない気付いたウォルターはカメラマンを捜す旅へ出る。ニューヨークからグリーンランド、アイスランド、ヒマラヤへと奇想天外な旅がウォルターの人生を変えていく。(Yahoo映画あらすじより)
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<映画.comより>

妄想シーンがとても安っぽく、あ、妄想きたきたとバレバレな織り込み方。
カメラマンを追いかける旅も妄想シーンかと思ったらそうではなかった。
大酒を飲みフラフラのパイロットが操縦するヘリコプターに飛び乗る。大荒れの、鮫が泳ぐ海に目当ての船を見つけてダイブ。船に拾い上げられて・・・
何十キロの山道をスケボーで疾走・・・・・
ヒマラヤ単身登頂・・・・
延々続く、カメラマン追いかけ旅。
あり得なさと壮大な風景が眠気を誘う。

だが、最後の5分で、荒唐無稽映画が一気に挽回!

新しいCEOがきてデジタル誌と生まれ変わる『LIFE』。
無断欠勤してカメラマンを追いかけていたウォルターもクビ。
しかしウォルターはようやく見つけたNo25のフィルムをもって役員室に乗り込み
捨て台詞。
「あなたたちはそうやってLIFEを大切に思って働いてきた人たちを大勢、切ったんだ。ためしにLIFEの社訓を言ってみろ」「〇△*×・・・・」「それはマクドナルドの社訓だ」

そう、日本の企業は働く人を大切にしてきた。年長序列制度にも欠点はあるが、会社に忠誠を尽くした精神が日本の産業を発展させた。
時代とともに能率主義にとってかわり、不況になれば、社員切り、契約、派遣の使い捨て雇用。
人を育てることを忘れた企業に必ずしっぺ返しがくる。現にそういう事態は起こっている。韓国、中国への技術流失もその一つ。

ウォルターは新しい職場探しする。職歴に「LIFEを16年勤めた」と書き記す。
転職が日常茶飯事のアメリカで、優良企業に16年勤めあげたことは何よりの立派な経歴となることだろう。
話の根幹に解せないところが二、三あったが、最後の落としどころでやられた。
探し求めたフィルムNo25にうつっていたモノ。
それは何か、ネタバレしたいけど、ここらでやめておきましょう。

(追記)長~いエンドロール、大半の観客は帰ったのに夫は席を立たない。
そんなにこの映画に感動したのかと問えば、座席に忘れ物をしてないか(館内が)明るくなるまで待っているとのことだった(笑)。
by feliza0930 | 2014-03-30 10:59 | ・MOVIE