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●催眠商法ギリギリ~済州島旅行②

二日目は済州島観光ハイライトの世界遺産巡り。世界最長の溶岩洞窟に行く。鍾乳洞はあるが溶岩洞窟は初めて。往復するだけでも結構な距離だ。
出てくるとあれ、あやしかった空模様に晴れ間が出ている。雨の予報が外れるのは大歓迎!

城邑民俗村に向かう。ガイドさんは車内で「ここは人が住んでいるんですよ。住民があなたたちを案内してくれます。顔が不細工だけど、すごく面白いおばさんがいます。その人にあたるといいのですね」
バスが村に近づく。「あ、あなたたちはラッキーでしたね!今言ったおばさんですよ」
少々小太り、顔は確かに大きいが、愛嬌があり不細工と言うのは言い過ぎ。
おばさんは大きな声で私たちを村を案内する。

「済州島は鍵ない、泥棒ない、こじきない」島として有名。ガイドさんから何度も聞いたキャッチフレーズから始まる。達者な日本語、3分に一回笑わせるトークに半ば呆れ、半ば感心する。まだ住んでいる人がいるという家を指さして「済州島の男、働かない。女、みな逃げる。逃げたら戻ってこない。ここのお父さんもお嫁さんが6年前逃げて行ったきり戻ってこない。わたしも逃げる準備しています。」と笑わせる。

済州島は観光の島。住民の半分が観光業に携わっているという。他の職がないので離婚率は韓国一とガイドさんも言っていた。

「済州島の女はよく働く。遊ぶ男のかわりに家を支える。
昼は農作業、夜は馬の毛でかご作り。夏になれば海女さん。80歳の海女さんはまだまだ若い。93歳の海女さんもいる。
済州の女は男児が生まれるまで子供を産む。子供が6人、7人はざら。子供を一人生むとカルシウムはとられ、歯がガタガタになる。だけど済州の女は生んだ後のご褒美に馬の骨のスープを飲む、ここでは腰の曲がった年寄りはいない、こっそそそそそしょう(笑)の人もいない。」
と大いに笑わせる。

おばさんが最後に案内したのが小屋。
ベンチに座る。そこで始まったのが即売会です。見かけたことあるでしょう?会場に閉じ込めてお年寄りに健康布団やら健康食品を売りつけるアレに近いかんじ。
ツアーガイドさんの話、民俗村のおばさんの今までの話は、全てはこれにつながったのね。
なるほど。陳列台に並ぶは、馬の骨から作ったカルシウム、冬虫夏草、アガリクス・・、値段を聞いてびっくり。○万円!白血病で倒れた渡辺謙も妻と冬虫夏草?を買いに来ると言う。

おばさんの話が実に上手い!催眠商法とはこのことだと思った。高いのにもかかわらず手を挙げる人が続出。カードも受け付けると言う。健康食品を買えば五味子(オミジャ)茶のおまけもつくという。
友達はカルシウムを買いたそうだ。半分っこしないかと誘ってくる。馬の骨からとったカルシウムは他と比べ成分が優れているというし、一か月あたりにすると〇千円、高い「皇潤」とほとんど同じ成分というから、おばさんの言うように安いかもしれない。と思い始めること自体が催眠商法術にはまっている!
別に今、足が痛くないのに話を聞いて、急に骨粗鬆症が心配になってくる。おばさんは手をひろげてきれいな爪を見せる。虫歯ひとつないという歯も自慢する。つい買う気になるじゃないですか。が、しかし、しかし、待てよ。カルシウム一年分でこのツアー料金と殆ど同じだ。ここでカルシウムを買ったら、安いツアーで来た意味がなくなるではないか。すんでのことで思いとどまった。
結局、天然の五味子(オミジャ)茶一本購入した。4000円程度だった。
ヨーグルトにかけて食べたり、炭酸でわったりして飲んでいる。ここでしかないという触れ込みも今になれば怪しいものだが、美味しいし、かなり量があるので、おばさんのチップ込みでよしとしている。
●催眠商法ギリギリ~済州島旅行②_f0234728_1340494.jpg

<城山日出峰(ソンサンイルチュルボン)>

おばさんの話術はエンタメとしても充分いけた。吉本に入って芸能活動でもすれば、人気が出ること間違いなし!おばさんは「民俗村の名物おばさん」としてYouTubeにあがっていた。クリックしたら90%くらい話が同じだった。「私もいつでも逃げる準備している」と言っていたが、おばさんの売り上げは、バスツアーにバックを払ったとしても相当な筈である。何人かいる民俗村のガイドの中で売り上げNo1に違いない。
”プロ村民”のおばさんがこんなうまい商売をやめて、島を逃げるはずはないと私は確信している。
by feliza0930 | 2014-04-30 13:49 | ・TRAVEL