2013年 11月 28日 ( 1 )

私の街にはブラジル人が多く住む。
そのため『セントラルステーション』が何度も上映される。
いつか見なければと思っていたところ、友人が貸してくれた「イチオシ」DVDの中にあった。
f0234728_9121222.jpg

女性のキャラが個性的、アクが強い!
日本に働きに来ているブラジル人にこの映画が愛されるのはなぜだろう。。
ロードムービーにブラジルへの郷愁を誘われるのだろうか。
母を亡くし父を探す少年に、家族や友人と別れて暮らす自分の姿を投影させるのだろうか。


ドーラは男性のように低い声、嘘つきでがさつ。教師を辞め代筆屋で稼いでいるが、請け負った手紙は投函せず、友人とこけにして捨ててしまう。
夫に手紙を出して欲しいとドーラに頼んだ女性と息子ジョズエ。ジョズエは目の前で母を交通事故で亡くす。行きがかり上、ドーラはジョズエと父探しに出る。途中、何度もジョズエを置き去りしようとするが・・・

現代が舞台(1998年制作)、ドーラの仕事は代筆屋だ。リオの駅で店を構えるドーラに次から次へとお客がやってくる。恋人への愛の告白、離れた暮らす家族、神様への感謝・・人々はドーラに心のうちを吐き出す。

識字教育の第一人者パウロはブラジル人である。文字で社会に参加しようという運動は広がったが、まだまだ文字を読めない人も多いのだろう。
ブラジルといえばストリートチルドレン問題だ。
誘拐⇒人身売買、臓器買収。闇夜で生きる子供たちに文字を学ぶ環境は難しいだろう。

日本はいえば
世界的に見ても驚異的な識字率の国である。ほぼ100パーセント。
ひらがな、カタカナ、漢字の三種類の文字を使う世界的にも類を見ない文字環境のもとでだ。文字教育を受けることができる我々は幸せだ。

この映画が識字率なんかテーマじゃないとわかっている。
だけど文字が、単にツールとしてだけで終わるのか、書き手読み手の気持ちを伝えるものとなるのか、文字を使いこなす我々次第である。
ドーラは今まで飯のタネとしての代筆屋だった。込められた気持ちもスルーしていた。
だがジョズエと日々を共にした今、もう文字は飯のタネじゃない。
ドーラはジョズエに手紙を書く。ジョズエが文字を読めないとわかっていても。