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ベトナムは10月まで雨季だと言う。
雨季の雨とは30分くらいザア~っと降ってすぐやむスコールのようなものと勝手に想像していた。

だが、そんな生易しいものではなかった。午前中、参加したクチトンネルツアーの時は快晴だった。
一旦、ホテルに戻り、ホテルの人のお勧めの食堂に行った。その店は地図を見ても絶対たどり着けない路地裏にあった。タクシーで来て正解だった。日本にいるベトナム人が「ベトナムに行ったら絶対食べて」と言っていたバインセオで有名な店のようだった。たいしてきれいなお店ではなかったが、地元の人や欧米人、日本人とおぼしきお客でにぎわっていた。バインセオを焼くおばさんの周りにカメラを持ち構えた人が囲んでいた。
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バインセオはお好み焼きみたいな生地を数種類の野菜でくるんで食べる料理だった。韓国料理のサンパのベトナム版?野菜好きにはたまらない料理だ。お皿いっぱいに盛られた青菜が、野菜不足になりがちな旅行者には特に嬉しい。
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名物『バインセオ』をほおばっていたら、黒い雲がでてきた。空が突然、暗くなった。あ、くるくると思う間もなくザーっと降り出してきた。食堂のお兄さんは店の外の椅子を片付け始める。私たちの座った席には簡単な屋根がついていたが、少しでも雨が振り込まないようにと内側(店側)に移動する。
雨はみるみるうちにどしゃ降りに。雷がゴロゴロ鳴り響く。水はけの悪い路地裏の道路はすぐ水浸し。
どうやって帰ろうか。
日本人マダム二人連れが、席を立った。店主にタクシーを呼んでもらったらしい。
あ、そうか、タクシーで帰ればいいんだ。お店に来てもらえばいいんだ。
ほどなく来たタクシーは優良タクシー。ぼったくられずに無事ホテルに着いた。
雨足は多少は弱まったもののまだまだ降り続いていた。
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ベトナム出発日、飛行機は夜中の12時過ぎだ。
レイトチェックアウトのサービスのお陰で夜6時まで部屋にいれる。
ありがたい、買い物をして荷物を詰めなおし、うまくいけばシャワーも浴びれるかもしれない。
疲れている夫は昼寝をしてもらって私は一人で街歩き。夫がいなければ心置きなくショッピングできる。
地図片手に通りの名前を確認しながら雑貨店&ショッピングセンター巡り。
3時半すぎ。雨はまだ降らない。雨季でも降らない日があるのかなと思いつつホテルに戻ろうとした。でも一軒もう一度寄りたい店がある。さっき、行ったとき買えばよかったのだが、店主なのか中国人らしき人がテンションマックスで激怒していた。店員は皆、押し黙っていた。そんな最悪雰囲気でとてもショッピングはできない。センスの良いオリジナルな品揃えだったにもかかわらず、すぐ店を出た。あの店にもう一度寄りたい。

そう思い始めたとき、突然、空気の流れが変わった。まるで地面の下から吹いてくるような風がでてきた。落ち葉がくるくる回転しながら横に流れる。通りから人がいつの間に消えいる。真っ黒い分厚い雲がどんどん空を覆っていく。目の前にはコロニア建築の教会、高層ビル、街の中心ど真ん中。横風がぐるぐるまわりながら吹いている、一人取り残され呆然と立ち尽くす私。なぜか自分が映画の一シーンの中にいるように思えた。
ホテルは目の前だ。まずい、早く戻らないと。でも物欲に負けた私。今なら間に合うかもしれない。
急いで店に戻った。買い物をしているうちにとうとうどしゃ降りになった。
しばらく待ったがとてもやみそうもない。

意を決して土砂ぶりの中に店を出た。ああ、それからが大変だった。大雨の中で荷物を持って傘を持っていては地図が見られない。同じ道に戻れない。顔を上げられない。ビルの影になってか、街のどこからでも見られるはずのホテルが見えない。地下鉄工事の柵もわかりにくくさせている。
ホテルに近づいたり遠くなったりして完璧に道に迷ってしまった。
見たことのない市場、見たことのない公園。店の人に聞いてもテンデバラバラ。「遠いからタクシーに乗りなさいよ」。そんなはずはない。黄色の雨合羽を着て通りを歩く家族連れをやっとつかまえた。ホテルを聞くと「僕たち韓国人だからわからない。」韓国人?忘れかけの韓国語で話すと「ソウルからやってきた」という。もっと話してもよかったが、こんなところで油を売っている暇はない。チェックアウトの時間が迫っている。
夫も心配しているだろう。携帯は持っていないから連絡しようがない。
何人かに聞いていたらどこから現れた男性。「ここをまっすぐ行って二つ目で曲がって」と教えてくれる。ありがとうと言って歩き始めると男性がついてきた。「ここですか?」「いや」といって曲がるところまで歩いてくれた。ここまでくれば見たことがある景色。お礼を言って別れた。
ホーチンミンの道路事情はとても悪い。水はけがよくない上に凸凹だ。気をつけていたのだが、とうとう靴の中まで水が入ってしまった。服はずぶ濡れ。ホテルの部屋に戻ったら、夫は心配するどころか、まだ寝ていた。「5時に帰って起こすと言っただろう?」。時間は5時をとっくにまわっていた。
シャワーどころではない。大急ぎでスーツケースをつめた。靴にドライヤーをかけて新聞紙とありったけのティッシュを詰めたが乾かなかった。あきらめてサンダルに替えた。
濡れた靴はそのままスーツケースへ。日本に着いた。靴が乾くのにあと2日必要だった。
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<サイゴンの夜は更ける>
# by feliza0930 | 2014-10-09 11:03 | ・TRAVEL
何冊かホーチンミンの街歩きガイドブックが出ている。どの本もほとんどのページが「雑貨店巡り」「カフェ巡り」「グルメ情報」で占められている。だが、ベトナムと言えばまずはベトナム戦争ではないだろうか。ベトナム戦争抜きではベトナムは語れない。
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<トンネル入り口>
ホテルでクチトンネル半日ツアーを申し込んだ。バスは三つのホテルで客を拾い1時間半くらいで着いた。
クチトンネルとはクチ県を中心にした200kmの地下トンネルだ。ベトナム戦争中のベトコンの根拠地である。
100メートルばかりトンネルの中を歩いてみた。腰をかがめないと歩けない。真っ暗で幅も狭い。小柄なベトナム人ならではのトンネルだ。大柄のアメリカ兵は入れない。
ガイドは古タイヤで作ったサンダル靴を見せてくれた。サンダルには前後ろがない。足跡からどちら方向に行ったのかアメリカ兵に知られないためにだ。トンネルの入り口は草でカモフラージュなどベトコンの様々な工夫のためにアメリカ兵はクチを攻略することができなかった。
ベトナム人の底力の結晶がクチトンネルともいえる。

ねばり強さはしつこさにもつながる。
ベンタイン市場の物売りのしつこいこと。旅行すると必ずと言っていいほど市場は行ったが、ベンタイン市場のしつこさにはまいった。充満する鼻につく臭いも相まって、商品を見る気も失せ、早々に退散した。
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<春巻きの皮作り>


*『地球の歩き方』はさすがなガイドブックだ。ベトナム人のアイデンティティー、歴史、トラブル症例なども載っていて他のガイドブックとは一線を画している。
# by feliza0930 | 2014-10-08 22:31 | ・TRAVEL
宿選びは旅のポイントでもある。
予算と照らし合わせながら選ぶ。迷うのも楽しみの一つだ。アジアの旨みはかなりのレベルのホテルも割安で泊まれるところだ。
今回はコロニアル形式の(フランス統治下の影響)ホテルと非常に立地のよいホテルの二つが候補になった。
少し前に同じホーチンミンを旅行した知人の「古いホテルは水回りが悪いのよ」の一言でコロニアル形式のホテルは却下となった。じゃあ、立地のよいホテルに決定かというとそうすんなりはいかなかった。ロビーやレストランを改装中ということがわかったからだ。工期がいつまでか知りたかった。改装中だと塗装の匂いや騒音が気になるからだ。
9月末まで、と10月中旬までかかるという情報があった。ホテルにメールで直接、尋ねた。「あなたがこちらに来られる頃には改装工事は終わっていますよ。是非、当ホテルにお泊り下さい」という返事がきた。
これ以上ない便利な場所は方向音痴の私には何よりだったので、迷いはなくなり、そこに決定した。
ホテルに着きました。期待を裏切りというか、ある意味予想通りというか改装工事は終わっていませんでした(笑)。
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<ホテルラウンジにて>
帰りの飛行機のチェックインカウンターで「通路側にお願いします」と頼んだ。
係りの人が「はい、通路側二席並びにお取りしましたよ」と言った。
飛行機に乗り込んだ。
通路側席には他の人のカバンが既に置いてあった。
はい、私たちの席はばっちり窓側並びの席でした。
もっとも帰国便は空いていたので、カバンの持ち主はほかの席に移ってくれた。
その席は横並び三席空席だったので結果的には双方によかったのだが。

ホテルの対応に、ベトナム航空の係員の対応。
調子よすぎですよね?
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<ベトナムの中の東京>
# by feliza0930 | 2014-10-08 21:35 | ・TRAVEL
ベトナムで一番圧倒されたこと、それはバイクの大群だ。
信号無視、歩行者無視で群れをなして押し寄せてくる。
まるでイナゴの大群のよう、いやヒッチコックの鳥だろうか。恐怖さえ感じるバイクの群れだ。
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二人乗りは当たり前、三人乗りも珍しくはない。四人乗り見たときは驚いた。足元はサンダルだ。
弱気でいるといつまでも道路を渡れない。永遠に立ち尽くす羽目になる。
車が途切れたら、バイクが止まってくれることを信じてそろそろと渡る。決して走ってはいけない。決して立ち止まってはいけない。現地の人の後にピタリとついて同じ速度で渡る。バイクに向かって手をひらひらさせる。ぶつかりそうで心臓がキリキリする。同じようになかなか渡れず歩道に立ち尽くしていた隣の外国人と、思わず顔を見合わせた。
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ベトナムは今、雨季だ。突然激しい雨が降り出してもバイクの大群は消えない。日本ではもう見かけなくなった雨合羽を羽織って走る。ライダーの合羽を後ろの同乗者が頭から被っている。足だけが見える。
ベトナムでは老若男女バイクにまたがる。サドルにぶら下げた買い物袋から出ているストローでジュースを器用に飲みながら走るおばさん。ベトナムの日常だろう。
●バイクの波~ベトナム旅行①_f0234728_20518100.jpg

# by feliza0930 | 2014-10-08 20:52 | ・TRAVEL
皆さんはベトナム人にどういうイメージを持っていますか?
勤勉な民族でしょうか。
しかしステレオタイプな見方はいけない。
それは日本人が真面目で親切というのと同じだ。

今、ベトナムは空前の日本語ブームで沸き返っている。大挙して日本語を学びにやって来る。
だが彼らが希望を抱いてやって来た日本は物価が高い。ベトナムは人件費が安い。そのため日本や台湾、中国などの企業が虎視眈々と進出を狙う国である。

彼らの切実な問題は生活費だ。高い授業料を出してくれただろう親にこれ以上ねだれない。
生活費を稼ぐために必死にアルバイトする。
多くの学生は生活のために学校は出席率を稼ぎに来ているだけ、アルバイト疲れで寝ている。
その上、南国気質。のんびり、競争心がなく向上心も少ない。

彼らに日本語を教えるのは並大抵ではない。教科書は忘れる、ノートはとらない、私語。スマホいじり、居眠りは当たり前。宿題は友達のをうつす。あの手この手と授業に工夫をこらすのだが効果がない。
彼らをめぐる環境を考えると致し方ないのだろうが、頭が痛い。はたしてこれでいいのだろうか。このままだと中途半端な日本語さえも身につかない。
それにもかかわらず全く問題意識をもっていないような彼らを見るとじりじりする。

でも彼らにいいところがある。
飾らない素朴さに人懐っこい笑顔だ。
彼らのバックグラウンドを知りたい。ベトナムという国を知りたい。
秋休み、私はベトナムに飛びます!
# by feliza0930 | 2014-09-29 09:53 | ・LANGUAGE